新年が明けて最初のウォーキングになるが、関東ふれあいの道の中でも屈指の難コースと噂されている。
アップダウンのある道を21km(公式距離)も歩く。
しかし、ほとんどの区間は舗装道で、山道の区間も逆に歩くと下りのみになるのでそれほど苦労はない。
川沿いの山道の区間は特に景観に優れるので、体力に余裕を持って楽しむためにも逆に歩くことをおすすめしたい。
筑波山口バス停に到着。
さて、ここからは体力の温存も兼ねてタクシーに乗ろうとしたところ、偶然同じく薬王院に向かう男性と同乗することになった。
しかもタクシー料金は男性が払ってくれた。
ありがたい。
酒寄駅に到着。
ここからスタート。
しばらくはNo.10で歩いた道筋と重複する。
酒寄集落の路地を抜けていくと、筑波山の方から朝日が照りつけてきた。
ウォーミングアップと今年の旅の安全の祈願を兼ねて再び薬王院に参拝しにきた。
みかん園を抜けて徐々に標高を上げる。
筑波山中腹に取りつく。
ある程度登り詰めると歩きやすい林道に。
チェックポイントの小さな広場の岩。
撮影して先へ進む。
写真ではかなり小さく見えないかもしれないが、中央の木にキツツキがとまって木を突いている。
間近で見たのは初めてだ。
男の川を渡る。
さて、No.10との分岐点まで来た。
ここまでは何とか体力温存といったところか。
道はここから未舗装になるが、この区間はアップダウンが少なく、杉の木の間を気持ちよく歩ける。
女の川を渡る。
川の流れに触れることができる。
冷たくて気持ちいい。
筑波高原キャンプ場に到着。
シーズンオフなので流石に誰も宿泊はしていないが、同じくハイキングに来た人が居た。
キャンプ場の上には展望台がある。
良い眺めだ。
キャンプ場を後にして少し歩くと、写真の階段から本格的な山道に入る。
ここからは下りだ。
倒木があった。
注意だ。
途中から石段になるが、所々で小さな沢が道を流れていて、それが石段を凍結させていてかなり危険だ。
慎重に歩いていたつもりだが、一回滑って尻餅をついて尾骶骨を強かに打ってしまった。
痛い。
しっかりグリップする靴と手袋は必須のようだ。
杉の美林に入っていく。
「スギ」の解説板もある。
真っ直ぐ伸びるから直木(スギ)なのだそうだ。
林を抜ける道の傍らに川が流れ、それに沿って道は山腹を下っていく。
川は女の川だろうか。
ここはサワガニやサンショウウオの住む清流だそうだが、流石に冬にお目にかかることは出来なさそうだ。
しかし、この区間は清流の音を聞きながら美林を通り抜けていくのが大変に爽快で、裏筑波のハイライトとも言える。
美しい。
夏にまた訪れてみたいものだ。
「サワガニ」「ヒノキ」「ハコネサンショウウオ」の解説板がある。
ヒノキは古来よりその木の皮で火をおこしたことから火の木(ヒノキ)と呼ぶそうだ。
湯袋峠を目指して引き続き川沿いを歩く。
湯袋峠。
石岡市と桜川市の市境になっている。
峠を越えて行くと国民宿舎つくばねがあるが、コースに戻る。
県道150号を離れて上曽峠に向かう。
上曽峠。
近くに東屋があるらしいのだが、見当たらなかった。
上曽峠から下ってくると県道7号に合流。
ここからコースを逸れて西光院に寄り道するのだが、これが結構遠い。
往復を考えるとなかなかハードな寄り道だ。
疲れていたら西光院からそのまま上曽集落に下ってしまうのも手だ。
県道7号を東に進む。
県道7号を離れ九十九折を経て標高を上げると東筑波を見下ろす道に出てくる。
東筑波ユートピアの前を通る。
アウトドアレジャーを楽しめるところらしいが、どこか廃れた感じもする。
西光院。
境内には「観光地ではありません」などといった張り紙があり、なんだか居辛い雰囲気だ。
本堂は岩から張り出した懸造りで、東筑波を一望出来る立地にある。
「関東の清水寺」と呼ぶのは大げさだが、清水寺にも劣らぬ趣深さがある。
さて、西光院からまた少しコースを外れ、球状花崗岩を見にいく。
あまり人通りのなさそうな鉄製の階段を下りていく。
球状花崗岩の露出部。
一見してただの崖にしか見えないが、近づいてみるとキラキラとした鉱物の粒子が見え、また球状の窪みが痘痕のように表面に見られる。
別名小判石とも言うらしい。
石や鉱物には詳しくないが、どうも珍しいものであるらしい。
コースに復帰してきのこ山を登る。
ここの登り区間は長い。
そろそろ疲労が溜まってきた。
この間何度か石岡市と桜川市の市境を行き来する。
きのこ山山頂付近の東屋。
ここに案内板と解説板がある。
ここで少し遅めの昼食とした。
母の作ったお節を弁当にして持ってきたのだ。
しかし寒風が吹き荒ぶ中、冷め切ったお節を食べるのは中々辛いものがある。
暖かいお茶でも持ってくれば良かった。
グライダーか何かの離陸場だろうか。
コースはこの脇を通っていくが、新しく出来た林道もここから始まっている。
山道で迷いたくないなら素直に林道を行くべきだろう。
こんな標識があった。
この道で間違いないようだ。
クマザサがかなり繁殖していて、掻き分けるようにして進む。
夏場は更に厳しそうだ。
一度林道を横断して再び山道に入る。
結構な急坂で木製の階段になっているのだが、落ち葉が積もっていて階段がほぼ隠れてしまっている。
その上落ち葉で滑るので、ここはかなり慎重に下りていった。
途中につぼろ台という岩場がある。
岩の上に登って筑波連山を眺めてみた。
次のコースで登る丸山、加波山、燕山、雨引山が見える。
引き続き山道を下る。
道は分かりづらい箇所があるが、明確な分岐などはなさそうなので、踏み跡の明確な方を辿っていけば良い。
さて、標識は真っ直ぐを指しているのだが……
直進方向に踏み跡は見つけられず、森に突っ込んでいるように見える。
むしろ踏み跡は左右に分かれていて丁字路になっているように見える。
しばし考え込んでいると、標識に何か落書きがしてあるのに気付いた。
「右いくな」「右はうそ」「左ただしい」「うそだ」等と書かれている。
正直地図を見ても分からなかったし、頼りになる情報がこのときはこの落書きしかなかったので、落書きを信じて左に進むことにした。
結果としてはこれは大きな間違いだったのだが……
左折して進むと道は急激に悪くなった。
落ち葉で滑る急坂をかすかな踏み跡を探しながら慎重に下ったり……
道の上に生い茂った茂みをかき分けながら進んだり……
大きな落石を乗り越えたり……
正直途中でこれは道を間違えているなと気付いていた。
日没も確実に近づいていて、最悪このまま遭難することも頭をよぎったが、とりあえず行けるところまで行ってみようという気持ちから進み続けた。
(急坂をまた登り直すよりは道が悪くとも下る方が楽だと思ってしまったこともある)
途中木製の階段が現れる箇所もあったので、少なくともかつて使われたことのある道なのだとは思っていた。
踏み跡を見失わないよう草をかき分けつつしばらく進むと、廃墟の裏手から写真のような広場に出てきた。
廃墟は使われていない倉庫のようだ。
一体どこに出てきてしまったのかとかなり不安になりつつ広場をうろうろしていると……
眼下に寺が見えた。
地図の場所からしてもこれは伝正寺で間違いないだろう。
ホッとした。
幸いにも伝正寺に降りる道があったのでそれを歩いていく。
伝正寺は震災復旧工事中とのことで立入禁止になっていた。
残念だ。
伝正寺から降りてくると写真のような案内板があった。
どうやら僕が歩いたのは関東ふれあいの道で間違いないのだが、現在通行不能区間であったらしい。
つぼろ台にもこの案内板を設置してほしかった……
おかげで不安な目にあってしまった。
ここから現コースと合流する。
いま降りてきたきのこ山を振り返る。
ここからはゴールの真壁駅まで平坦な道だ。
左を向けば筑波山。
右を向けばきのこ山から続く筑波連山が見えた。
真壁城跡が見えた。
真壁集落の中に入ると間もなくゴール。
ここが旧真壁駅。
しっかりホームの跡が残っていた。
案内板等はなかった。
さて、桜川市は公共交通機関が通らない。
まして真壁町はその中心に位置しており、ここから最寄りのバス停や駅まで歩くことはおよそ考えられない。
となれば選択肢はタクシーか宿泊となるが、僕はあらかじめ伝正寺近くの宿を予約していた。
真壁町には他にもいくつか宿がある。
さて宿の名を桜井館と言う歴史ある宿なのだが、室内は改装したばかりで綺麗だ。
料理も豪華で満足いくものだったのだが、唯一の不満を挙げれば、それは風呂だ。
宿の運営は老夫婦がやっているのだが、風呂は僕が入ったときには電気もついておらず湯船も冷え切っていた。
もう終わってしまったのだろうか。(夜の21時ぐらいだったと記憶している)
しかし汗を流さないわけにもいかないのでシャワーだけでも浴びようと思ったのだが、水がなかなか温まらない。
その間風呂場で寒さに震える他なかった。
正直風呂はかけ流しの天然温泉だと聞いていたので期待していたのだが、かけ流しでもなければ天然温泉でもなさそうだった。
これには期待を裏切られたようでかなりガッカリした。
宿泊するなら他の宿をおすすめする。
とりあえずは明日に備えて就寝。
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