2017年3月19日日曜日

              

新・奥の細道(福島)『No.20古代の村から分水嶺を歩くみち』

2017/03/19(日)

やっぱり雪山は甘くなかった!
……が、何とか生還である。
本来は三森峠から御霊櫃峠を経て、分水嶺の尾根を歩き額取山から夏出集落に降りる山岳コースである。
No.20からは山形県側から合流してくるコースなので起点と終点が逆のコースになるのだが、1992年に三森峠の旧道が廃道になった関係上、今も三森峠から御霊櫃峠の間は通行できない状態になっている。
雪解け後であれば廃道を行くことも考えたのだが、さすがにこの時期では無謀だろう。
というわけで今回は特例的に御霊櫃峠までをNo.20コースとし、御霊櫃峠からNo.19の起点まで林道を下るのを仮の連絡コースとすることにした。

額取山まではトレースも多く、ハイカーの往来も日頃からあるよく踏まれた道で、残雪があっても快適に登れる。
額取山から御霊櫃峠の間の稜線は風が吹き荒れ、この時期はまだ人通りもない純白の尾根歩きとなる。
しんどいが、絶景を独り占めできる素晴らしいコースとなった。




夏出バス停に到着。
始発バスで来ても9時前と、やや遅れた出発となってしまった。

















出発してすぐに集落の路地の奥へ進むと、薬師堂の両脇に大銀杏と大伽羅が聳えている。
今日の旅の無事を祈り、薬師堂に参拝した。























しばらく長閑な田舎風景の中を歩く。
























小さな峠を越すと、いよいよ額取山とその稜線が見えてきた。
まだ早朝まで空に居座っていた雲が蟠っているようだ。
山頂に着くまでには晴れていてくれると良いが。




















田園を脇目に緩やかな坂を上っていく。
























路上に残雪が現れはじめた。
ハイカー達も登山口よりかなり手前に駐車を余儀なくされているようだ。























山道になった。
最初だけ急坂があるが、後は概ね穏やかな上りだ。






















さて、いよいよ雪山の始まりのようだ。
ここでチェーンスパイクを装着した。
ところで、今回は久しぶりの雪山ということで、装備も一工夫凝らしてみた。
靴は今までの反省から、雪の侵入を防ぎ、かつ暖かく、かつ軽量、かつ安価なものを探してみた。
探し当てたのはtevaのHIGHLINE。
まさにこれが求めていたもので、今回の雪の山行でも大活躍であった。
手袋はショーワグローブの防寒テムレス。
これは作業用だが、今回の登山でもその機能を遺憾なく発揮してくれた。
防寒性能を備えつつも、そのままカメラの操作が出来るぐらい作業性が高いのが良い。











稜線に取り付くまでややきつい上りがあるが、距離も短く大した苦労はない。
トレースも踏み固められており、ほとんど雪に足が沈むようなこともない。
土の地面とほぼ変わらない軽快さで進む。




















尾根に取り付くと、ときおりアップダウンがあるものの、ほとんど平坦と言って良い快適な道が続く。
樹林帯も日当たりが良く、雪山を堪能するだけであれば額取山に登るだけでも十分充足感が得られるだろう。




















うーん、最高だな。
初春の締まった雪とはこんなにも歩きやすかったのか。
スキー等だと敬遠されがちな締まり雪だが、登山に関してはこれ以上無いコンディションだ。
新雪だとやはりラッセルが辛い。
逆に遅すぎると今度は腐れ雪になってクラストで踏み抜きが多くなる。
これぐらいがベストだ。
















ここはきっと四季を通じて美しいところなのだろう。
落葉樹の森が目を楽しませてくれる。























標高を徐々に上げていくと樹林も疎らになり……振り返ると……絶景!
安積原野を見下ろすことができた。
少し霞掛かっているのが残念だが。






















あの小高くなっているのが額取山の山頂だろうか。
もう少しだ。























額取山山頂に到着!
って……うおおおおお!!
物凄い風だ!!
会津の方から猛烈な風が吹いてくる!
山頂で休憩しよう等と考えていたのだが、正直踏ん張っていないと立っているのもやっとなぐらいである。
比喩ではなく本当に吹き飛ばされる!

















山頂からの景色。
おー絶景!奥羽山脈の峰々を一望できる……などと悠長に眺めてもいられない。
か、風が思考を奪っていく!
とにかくこの暴風域から脱しなくては……





















さて、吹き荒ぶ風の中、決断しなければならない!
進行か撤退か!
写真がこれから歩こうとしている稜線である。
見るからに巨大な雪庇が発達するほどの風が吹く稜線だ。
樹林も高山帯のように疎らである。
トレースもどうやらここまでのようで、行く手は風が掻き消したのか、トレースは見当たらない。
幸い時間も体力もまだ十分にある!
どうにもならず怖気づいたら引き返してくることにしよう。













さて、あまりにも風が強いため、直立での姿勢制御がままならない。
AFの頼りないDP1Xには少し休んでいてもらおう。
ここからは手ブレ補正も頼れるGRD4の出番。
早速行く手に巨大雪庇が見えてくる。
よく滑落事故なんかで雪庇を踏み抜く、あるいは雪庇そのものが崩れる事例が散見されるが、大丈夫だろうか……













雪庇の上を歩く。
おっかないのでなるべく向かって右手の風上、雪庇の付け根の辺りを歩く。
たっぷりと雪が積もっているが、ここも雪が締まっているため、ほとんど踏み抜きもなく意外なほど楽に歩くことが出来る。
ワカン等を装備していないにも関わらずだ。
やはり雪山を歩くならこの時期をおいて他には無かったようだ。
本当についている。
それにしても何という景色だろうか。
とんでもないところに来てしまったのでは……










雪庇を越えると次の小ピークへの上りになるが、トレースが無いためどうして取り付けば良いのか検討が付かず、少し四苦八苦した。
雪質が違うのか、ここは足が結構埋まる。
引き返そうか少し考えたが、結局無理矢理上ってしまった。















小ピークを過ぎるとしばらくなだらかな尾根が続く。
相変わらず発達した雪庇の上を主に歩くが、強風が吹き付けてくること以外は、意外なほど軽快に進んでいける。
















額取山山頂に着いたのが11時ちょうど頃だったが、それから1時間が経過した。
現在地を見ると案外良いペースで進んでいるようだ。
しかし体力の方はかなり消耗したようで、どっと疲労が押し寄せてくる。
やはり普段と違う歩き方をしているせいだろう。
風の吹き荒ぶ稜線の雪の上に腰を下ろし、持参してきたスニッカーズを食べた。
コーヒーでも沸かせれば最高なのだが、この強風ではとても無理だ。













行く手に大将旗山が見えてきた。
その手前に2つピークがあるようだが……遠目に見ても凄い雪庇だ。

















振り返り安積原野を望む。


















大将旗山山頂に到着!
久しぶりにDP1Xで撮影。























南の奥羽山脈を望む。
山深いところだ。
























お!猪苗代湖だ!
薄っすらとだが湖面が見える。
ついに会津の地をこの目に捉えたぞ。
この瞬間が一番好きなんだ。
これだから歩き旅は止められない。




















次いで磐梯山も!
素晴らしい!
いやー本当にじっくり眺めていたいのだけど、ここも凄まじい風が吹いていてそれどころではないのだよね。
DP1Xも手ブレ覚悟で撮影しているのだが、意外とキチンとピントが合っている。
陽が差しているうちはそれほど気にしなくて良いのかも?
でも遠景だけだとAFが合ってくれないのだよね。















さて、少し迷ったが次はやや南寄りの黒岩山のピークを目指すようだ。























こ、これは……
橅平という細い木が密集して生えている斜面に取り付くと、全く道が分からなくなった。
ええい、とにかく山頂に登ればいいんだな!と無理矢理に突破する。















黒岩山に到着。
黒岩山の下りも少し迷ったが、よく辺りを見渡すとピンクリボンが括りつけられているので、それを目印に急斜面を下る。
















黒岩山を振り返る……
なるほど確かに黒い岩が露出している。
そして今下りてきた斜面、ロープ等が散見されたところを見ると、夏道もかなりの急斜面なのであろう。
途中からグリセードの要領で尻でソリ滑りで下ってきたので楽だったが。
(お尻が冷たい)













お、あれが御霊櫃峠ではないか?
あと2つほど小ピークを越えれば着くようだ。
あと少し……
しかし正直さっきから脚が攣りまくりで痛い。
体力も限界近い……














風神、雨神の祠が。
風神さん荒ぶりまくりでしたね……

















最後に安積原野を見下ろす。


















御霊櫃峠に到着!
いやあ、疲れた!
とりあえずここをゴールとしたが、本来のコースではまだここは中間点で、ここからまだ稜線を辿って三森峠まで行くコースであった。
……夏道でも結構ハードなコースだったんじゃないか?
そうでもないかな……
到着したのはちょうど14時頃。
予定より1時間ほども早い。
ここからは林道を下るのみだが……
予想通り除雪はされていない。
つまりまだ予断は許さない状況。
無事猪苗代湖に辿り着けるのか。
連絡コースに続く。
         

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