横川駅を起点にして関東ふれあいの道が2コース、中部北陸自然歩道が1コース伸びているが、もう一つアプトの道と言う信越線の廃線区間を利用した遊歩道が伸びている。
この道を辿ると旧丸山変電所や有名な眼鏡橋を見ることが出来る。
ここまで来たからには見ない訳にはいかないだろう。
また、アプトの道から少し逸れたところに2つダムがあるので今日は一日を散策に費やそうと思う。
横川駅に到着、アプトの道の起点には鉄道文化むらがある。
入場料を払い、中を見学することに。
アプト式電気機関車の実物が展示されている。
アプト式鉄道とは両輪の間にある歯車とレールに取り付けられた溝を嚙合わせることで横川から軽井沢までのきつい勾配を上るための機構である。
しかしアプト式は速度が出ず、後年は駆動車を増やして通常の粘着式で運行していたそうだ。
広場に往年の列車が並んでいる。
一部の列車は中に入れたりする。
ここで思いのほか時間を使ってしまった。
さて、スタートしよう。
鉄道文化むらから峠の湯まで走っているトロッコ列車に平行して遊歩道が真っ直ぐ続いている。
足下にはレールが埋まっており、頭上には架線がそのまま残っている。
ちなみにトロッコ列車は土日祝日のみの運行なので、平日の今日は走っていない。
上信越自動車道を潜る。
凄いスケール感のある吊橋だ。
下から見上げるとことのほか巨大に見えて圧倒される。
旧丸山変電所だ。
煉瓦造の工場建築で、装飾は少ないながらも時代を感じさせる佇まいで保存状態も良く美しい。
庇のついた大きな玄関と窓の上部のアーチが良い。
レールから離れる。
廃線は何世代かあり、足元のレールは霧積ダムの方に向かっているようだ。
峠の湯に到着。
トロッコ列車はここまで来ている。
峠の湯は火災により休業中で、近日リニューアル開店するようだ。
ここでアプトの道を一度離れ、霧積ダムに向かう。
県道56号を歩いていく。
先ほど別れた廃線のレールの下を潜り、その後しばらく平行していく。
坂を上っていくと霧積ダムに到着する。
霧積ダム。
大きな重力式コンクリートダムだが、堤体を見るのに良いビューポイントがない。
減水工。
常水吐から放水している。
ダム湖。
水抜きしているのか水位は低く、堆積した土砂を撤去しているのが見える。
堤体上を歩いていくと奥にある管理事務所で坂本ダムと合わせてダムカードを入手した。
ダムから戻ってきたところの店で昼食をとった。
ソースカツ丼に力餅のついた定食を食べた。
アプトの道に戻る。
ここからは最も古い路線の廃線で、煉瓦造のトンネルが連続する楽しい区間だ。
橋梁を渡る。
2つ目のトンネル。
2つ目のトンネルを抜けると左手に碓氷湖を湛える坂本ダムがある。
寄り道しよう。
碓氷湖の周囲も散策路になっていて長閑な雰囲気だ。
坂本ダム堤体。
幅は狭く、自然越流させているようだ。
堤体上はトラス橋のような意匠が施されている。
下流部。
管理事務所の脇から堤体下流に降りられる。
堤体を滑るように越流している。
砂防ダムに橋が架かっているような印象だ。
アプトの道に戻る。
3つ目のトンネル。
3つ目を抜ける前にもう4つ目のトンネルが見える。
5つ目。
小さな橋を渡る。
5つ目のトンネルを抜けると……眼鏡橋だ!
うおおー!
でかい!
橋の上を歩いていく。
こんなところを機関車が走っていたと思うとロマンだなあ……
向こうには6つ目のトンネルが見えている。
下に降りてみる。
見上げてみると予想以上に質実剛健な造りだ。
橋脚がとても太く、綺麗なアーチが頼もしい。
美しい……
これはもはや自然をキャンバスにした芸術作品と言っても過言じゃないだろう。
土木屋で良かったと思うとともに死ぬまでにここに来れたことを感謝したい気持ちだ。
一度この橋の上を列車が走っていくところを見てみたかった。
アプトの道に戻り終点の熊ノ平駅を目指す。
6つ目のトンネルはとても長く、546mもある。
トンネルを抜けて橋を渡る。
切通しの向こうに7つ目のトンネルが見える。
トンネルの手前でもう1つ橋を渡る。
すぐに8つ目のトンネルが見える。
9つ目のトンネルだ。
トンネルの間の橋を渡る。
10個目。
小さな橋。
熊ノ平駅に到着。
新旧の上下線4つのトンネルが並んでいるが、もうこの駅に列車が来ることはない。(右奥に4つ目のトンネルがある)
アプトの道が辿る廃線はここまでで、この先もレールは続いているが遊歩道化はされていない。
遊歩道から国道18号に降りることもできるが、歩道がなく蛇行しているのであまり歩く気にはならない。
秋季限定でここまでバスが来ているのだが、一日一本でこの日はもうお昼に行ってしまったようだ。
ということでここから横川駅までアプトの道を逆戻りする。
帰りは日が暮れる前に駅に着きたかったので早足だったが、秋の日差しがとても気持ち良かった。
ゆっくりする時間もないほど充実した一日で大満足だった。
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