前半は長閑な田園と農村を歩き、後半は多宝院などの古刹、檜山城跡、羽州街道など往時を偲ばせる名所を繋いでいく。
変化に富んでいて面白いコースなのだが、如何せんコース途中に何箇所も荒れた箇所があり、迂回も難しい。
藪漕ぎやルートファインディングに慣れた人だけが楽しめるコースになっている。
いくら探してもコースマップに書いてある道が見つからない。
いきなり30分以上も時間をロスしてしまった。
これはまずいな。
病院に用もないのに敷地内を歩くのはどうも気が引けるが、これがコースだ。
入院している患者も散歩に来たりしそうだな。
周辺は遊歩道の整備された公園になっているようだ。
山桜が満開で美しい。
こっちは少し寂しい感じだ。
迂回しようとすると病院まで戻って大きく迂回しなければいけない。
ここは我慢して進もう。
晴れていれば尚のこと美しかっただろうな。
りんごの樹だな。
右だ。
左へ。
朽ちた標識があった。
下の田園が見えた。
この辺りはもう勘で行くしかない。
まあ仕方ない。
集落に着いた。
このまま車道を直進する。
直進した方が近道なのだが、何故か右へ少しだけ遠回りする。
ちょっと気が引けるなあ。
今度は左へ。
不安だなあ。
踏み跡も分からん完全な藪漕ぎだが、車道がすぐ近くまで来ているはずだ。
だいたいの方向に進めば出られるだろう。
ほっ、助かった。
どうやら今歩いてきた道は羽州街道だったようだ。
全く往時の面影はないが……
桧山城跡に向かうので右折。
まずは多宝院を見よう。
中々良い雰囲気だ。
なんて思っていると、何かのイベントでもやっているのか、集まっている年配の方たちにマスクの着用を促された。
外でマスクして何か意味あるのかねえ……しかもこんな雨の日なのに。
面倒臭い世の中だな。
禅寺らしく、どっしりとして素朴な佇まいがしだれ桜と調和していてとても良い。
すごく好きだな、こういうお寺は。
参拝した。
曇ってるし何だかいまいちだね。
晴れてればもっとはっきり能代市街地が見渡せたのかな。
これで迷うことは無さそうだ。
案内が無かったら迷うなこれは。
コースは恐らく浄明寺へ直接向かう方が正しいのだが、御茶園を見てみたいので左へ。
どっちにしても浄明寺はあとで通るしね。
北限の茶畑だそうだ。
しだれ桜も美しい。
品格のある山門だな。
桧山川を渡る。
藪漕ぎ区間はやはり「通行不可」と表記されていた。
まあ不可ってわけでもなかったけどね。
「通行困難」が正しいかな。
そしてこの先、もう1箇所「通行不可」の区間があるようだ。
ここの分岐は左へ。
(間違って右へ行ってしまって時間をロスした)
往時の羽州街道の様子を今に伝える、数少ない史跡だ。
うう……雨の日には入りたくない雰囲気だなあ……
ここからが最後の「通行不可」区間だろう。
と思ったら柵で行く手が阻まれた。
あれ?
本当に「通行不可」だったのか?
……よく見ると、途中でコースを逸脱してしまっている。
どこで間違えたんだろう。
少し戻ってみるか……
初見じゃ気付かないな、これは。
ほっとひと安心。
なんだか場違い感が凄いな。
少しは整備してほしいな。
そのまま横断する。
今は薄暗い杉林になっているが、かつては黒松が生えた見晴らしの良い峠道だったのではないだろうか。
鐘馗様という道祖神だそうだ。
古い風習がこうして受け継がれているのも良いことだなあ。
米代川が見える。
ゴールはもうすぐだ。
「左 久保田 右 能代」と記されている。
庚申塔と道しるべを兼ねているのは珍しいな。
ここが終点である。
ここから能代駅に帰る。
また、近くに鶴形金比羅宮があるそうなのだが、今日はもう疲れて歩きたくないなあ……
明日もあることだしね。
このあとは、能代市街地のビジネスホテルに宿泊し、一夜を明かした。
0 件のコメント:
コメントを投稿