一面の銀世界を歩いていく。
これぞ雪国だという景色が続く。
終始県道を歩くので遭難の心配は無い。
起床すると腰に激痛が……
ぐおお……何だこりゃあ……
た、立てない……
どうやら寒さと馴れないスノーシューイングで腰をやってしまったらしい。
うう……今日が最終日だけど、歩けるかなあ……
うひょー今日も飯が旨い。
幸せだ。
さあ、最終日の行程を歩くぞ。
しばらく寂寞とした雪景色の中を歩く。
まあ雪で何も見えないのだが……
寒い。
高原のような雰囲気だ。
この辺りは標高400m近くである。
集落を抜けると一気に坂を下り始める。
アイスバーンになっていて道が滑る。
これはようやくチェーンスパイクの出番だな。
持ってきていて良かった。
坂を下っていく。
これが、雪国か。
何もかもが雪と冷気に覆われている。
まさに極限の景色だ。
一時、視界が開ける。
見渡す峰々も灰色に沈んでいる。
水墨画の世界に迷い込んだかのようだ。
濃紺色に凍てつく中村川まで下ってきた。
あらゆる生物を拒むかのような氷の世界だが、川を眺めていると何かの鳥が水面を滑空していた。
酷寒の世界でも生命はたくましく息づいているようだ。
美しい景色である。
本当に来て良かったと思った。
究極の非日常の世界がここにはあった。
本当に水墨画の中に居るような、静寂の清楚な美しさがここには存在していた。
ここは右に。
ここは本当に人の世界なのだろうか。
異世界ではないのか……。
そんな思いがよぎる。
やはり異世界の村のように感じる。
先ほど渡った橋が見える。
鰺ヶ沢町の中心地が近付いてきたようだ。
ふと頭に手をやると雪がどっさり積もって、髪がバリバリに凍っていた。
急に気恥ずかしくなってフードを被った。
そのまま直進する。
だいぶ下流のはずだが、渓流のような様相を呈している。
この辺りがNo.12コースの起点のはずなのだが……
何も見当たらない。
とりあえずバス停をゴールとした。
とりあえず参拝。
うぐぐ……それにしても腰が痛い……
コーヒーを入れて一息ついていると老夫婦がやってきた。
少し早い初詣だそうだ。
少し境内を雪かきをして帰っていった。
頭が下がる。
やれやれ……
今年の食べ納めだ。
う〜冷えた体には殊更に旨いな……
また食べに来よう。
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