雪の里山を歩き、後半はりんご園の中を歩き、長勝寺を始めとする禅林三十三ヶ寺に至る。
途中にりんど公園などもあり、津軽の雪景色をのんびり楽しむことができる。
「くとじ」だと思っていたので運転手にそう伝えたら首を傾げられてしまった。
「ああ、”くどじ”ね」と理解してくれて、赤っ恥をかいた。
ちゃんと地名や名所の名前は予習しておこう……
今回は4泊5日の年末の旅。
3週間前とはうってかわって津軽は雪景色に。
雪の降らない千葉で生まれ育った自分としては見たことのない非日常の世界。
楽しみだ。
積雪があるので上りにくい。
積雪対策と思われる白い透けた布が何だか神秘的だ。
旅の安全を祈願した。
久渡寺には円山応挙が描いた幽霊画があるそうだ。
円山応挙は好きな絵師だ。
できればひと目見てみたかったが、公開すると雨が降ると伝えられているらしい。
案内板があるはずなのだが、見当たらない。
ここからスタート。
江戸時代には津軽の流行り病の鎮静を願って村人たちが詣でたという。
思わず今の日本の状況と重ねてしまうとともに、古くからの日本人の信仰心の厚さに敬服する。
僕も参拝しておいた。
梵字が刻まれた、市の有形文化財だそうだ。
廃墟になっている。
悲しい。
すぐに除雪区間に出てくるが……
右手にりんご園を見ながらザクザク歩いていく。
一面真っ白だ。
熊出没注意の標識前で右折して斜面を上る。
注意深く歩かないと道を見失いそうだ。
途中、倒木を迂回する。
弘前城の南から攻めてくる敵を水攻めにするために作ったものらしい。
今も農業の役に立っている。
しかし、ここは長くはなかった。
なかなか目立つ山だなあ。
寒そうだが、羽毛があるとやっぱり暖かいのかなあ。
ここでお昼にしよう。
カツにりんごが挟んであって旨い。
アップルドラフト。
禅林三十三ヶ寺の最奥に有る。
重要文化財になっている三門は流石の迫力だ。
禅寺は素朴な感じで好きだなあ。
良い雰囲気だ。
太平洋戦争で亡くなった兵士たちを慰霊しているそうだ。
荘厳である。
本当に禅宗の寺が道沿いに並んでいる。
どこに参拝すればいいのやら。
会津で見た栄螺堂を思い出すが、ここにあるものも、中が二重螺旋の階段になっているそうだ。
天保十年に海難や飢饉で死んだものたちを供養するために建てられたものだそうだ。
禅林三十三ヶ寺の入口になっており、弘前城の出城としての性格も持っていることから城郭建築に用いられる高麗門形式になっているそうだ。
茂森町バス停をゴールとした。
なんとこれ、大正に造られた陸軍第八師団の長官舎なのだそうだ。
中に入ってお茶したいな……
市街地の中に立派なお堀がある。
良い雰囲気だ。
屋根にはシャチホコまであって豪華絢爛である。
うーん……天守閣にしては何だか地味だな……
と、思ったらもともとあった天守閣は寛永四年に焼失し、今のものは文化七年に櫓という名目で再建したものだそうだ。
明治創業の文化財の宿である。
趣があるなあ。
何でも県内では最も古いラーメン屋らしい。
見た目は非常にシンプルで、好みのラーメンだ。
煮干の素晴らしい薫りがする……
それでは、いただきます。
…………
う、旨い……!
思わず夢中になって食べてしまった……
すっきりしていながら煮干・鶏ガラ・醤油が渾然一体となった素晴らしいスープ、それを引き立てる心地よい歯ざわりの縮れた手打ち麺、それらのハーモニーを纏めるネギ、メンマ、チャーシューの具。
全てが超高次元のレベルで完成された神の一杯に、ついに出会ってしまった……!
これぞ求め続けていた完璧なラーメンだ!
ごちそうさまでした!
毎日でも食べたい!津軽に移住したい!
ゴシック様式の建築が荘厳で美しい……
弘前、良い街だなあ。
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