2017年5月4日木曜日

              

新・奥の細道(山形)『No.45草木塔を訪ねるみち』

2017/05/04(木)

米沢のこの地が発祥と言われる草木塔を探しながら歩く道。
かつての出羽国の人々の草木を思う心に感心するが、正直に言って言われなければそれと分からないような地味で素朴な碑を探すことになる。
コースはそれらを上手く繋いでいる感じだが、草木塔以外にこれと言って見どころがない。
強いて言えば米沢盆地に近づくにつれ広がる広大な農地と、その背後に聳える飯豊山地だろうか。


















まずは今来た道を少し戻り、塩地平の草木塔を探しにいく。
……というか道を通ったとき、そんなものあったっけ?
道端の草むらにでも埋もれているのでは?と少し探してしまったが、何とか見つけることができた。
国道から少し逸れた小さな集落の入口にひっそりと草木塔への入口があった。














小さな墓地の片隅に草木塔がある。
これは安永9年に建てられたものらしく、確認されている草木塔では最古のものなのだとか。
この地の御料林を伐採した際に建てられたとのこと。
往時の人々は今よりも遥かに山や森林と密接に関わった生活をしていたのだから、大量の木材を伐採した際には文字通り我が身を失うような気持ちであったのであろう。
手を合わせてきた。












スタート地点まで戻り、引き続き国道を歩いていく。


















道端にカタクリが咲いていた。


















コースマップと違うところにあったので、これも探すのに時間を要した。
コースマップよりも少し先へ行ったところの国道沿いにあった、入中の草木塔。
飯豊山碑と並んで建っている。
















更に歩く……。


















道の駅田沢に到着!
おおー!数時間ぶりの人の居る施設だ!
とりあえず自販機でポカリスエットを買ってしばらく休憩した。
また疲労してきた……もうひと踏ん張りだ。















道の駅の中に案内板があった。
隣に山形県全体のコースマップもある。
道の駅に立ち寄って、これを見て歩こうと思う人ははたして何人ぐらい居るのか……
興味深そうに見る人はちらほら居たが……















国道の旧道の方へ少し逸れると戸長里の草木塔があった。
いくつかの石と一緒に並んでいるが、一番手前のものがそうであろう。








ふと振り返ると越えてきた飯豊山地が美しかった。
























国道を離れ、少し荒れた道へ入る。


















国道の橋梁の下を潜る。


















道端にひっそりと大明神沢の草木塔があった。
左から二つ目のものがそうであるようだ。

















国道を横断する手前に神原の草木塔がある。
右から三つ目のもの。











神原の草木塔の建つ地蔵堂の境内に、桜の木が立っている。
かつてはこちらの道が国道で、多くの人が往来したのだという。
この木は人や道の移ろいをここでずっと見てきたのだろう。




















更にしばらく行くと、道脇に上中原の草木塔がある。
右のものがそうであるが、これまでと違って崩し字で大きく「草木塔」と書かれていて、大胆というか堂々とした佇まいである。
















徐々に人里に入ってきた感じがする。


















ところで、このコースに入ってから曲がり角にはほぼ必ず写真の石柱の標識がある。
目立たないので見落としそうになるのと字がやや読みづらいのが難点ではあるが、これなら風化や劣化もしにくいだろうし、金をかけてよくコースが整備されている印象を受ける。





再び国道を逸れると広い農地が広がった。
その背後に聳える飯豊山地が何とも絵画的で美しい景色だ。
もうすぐ長かった三日間の旅も終わりだな……





















上屋敷の草木塔。
右の大きい碑ではなく、左の小さい方だ。










国道に戻る道も再び農地と飯豊山地を眺めながら歩く。
























国道に戻ると、道脇の墓地に下の町の草木塔がある。
手前の小さなものがそうだ。
草木塔巡りはこれが最後のようだ。
ゴールも近い。















潜清水バス停跡に到着。
廃止されたためバス停はないが、ここがゴール。
ふう、疲れた……が何とか歩き通した。
うーん、グーグルマップで検索してみると、ここからでも最寄りの西米沢駅までまだ4km以上あるのだね……
流石にもうタクシーを呼ぼう……













タクシーで西米沢駅まで来たのだが、米坂線はどうも本数がかなり少ないようだ。
次の列車が来るまであと1時間半もある。
仕方ないので少し歩いた先のバス停から市内循環バスに乗り、米沢駅へ向かった。
















米沢駅に到着。
これにて会津から米沢を目指す三日間の旅は終わり。
まあ最後は少しだけタクシーの禁を破ってしまったが、無事米沢に着くことができた。
帰りは東京まで新幹線なので、あっという間だ。
駅前の新杵屋で米沢牛焼肉どまん中弁当を買い、車中で食べて、帰路の眠りに就いた。
3日目の歩行距離:3.9(宿から)+21.4(連絡コース)+15(No.45)=40.3km
3日間の総歩行距離:36.3(1日目)+25.8(2日目)+40.3(3日目)=102.4km
祝!100km超え!
         

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