2022年12月10日土曜日

              

新・奥の細道(秋田)『No.22先達渓谷出で湯のみち』

2022/12/10(土)

田沢湖から先達渓谷を遡り、秋田駒ケ岳の麓の乳頭温泉郷へ。
全体的にコースが分かりづらく、迷いやすいコース。
自分もかなり無理やり突破することになった。
乳頭温泉は素晴らしいところなので是非訪れてほしい。













再び田沢湖にやって来た。
今回は前回行かなかった乳頭温泉郷の方へのコースを歩く。










12月の田沢湖。
冬の寒々しい空気に包まれている。














秋田駒ケ岳に向かって連絡コースを歩いていく。
12月になって初雪が降ったようだ。
山には朝霧が立ち込めている。








玉川を渡る。












左折して国道へ。












先達川を渡る。












これから遡る先達川……
お手柔らかに頼むぞ。











コースは先達バス停からスタート。











川沿いに進むと案内板があった。
そして、ここから林道になるようだ。










眼下の先達川。
まだ穏やかに見える。











別荘地を抜ける。












ここで轍も途絶える。












林道分岐。
右へ。











ロープを跨ぐ。












早速崩れてるなあ。
先行きが不安すぎる。











しかし道幅は広く、崩れてなければ歩きやすい道だと言える。











森の中に入ってしまえば安心だ。












また川沿いに出てきた。
だんだん雪が増えてきたな。











ぐしゃっと……
乗り越えて行きますよ……











しかし、林道歩きは楽しいな。
ずっとこの調子だとありがたいのだが、先行者たちの情報によると、このコースの先行きはかなり不安だ。








橋だ。
積雪しているせいで橋の状態が分からないのが恐ろしい。
まあ、最悪踏み抜いても死ぬような高度ではないけど……怪我するのは嫌だしなあ。







林道分岐点。
コースはここで一度、先達川沿いの道を離れ、大黒沢沿いに上っていくのだが……
先行者たちはこの先でみんな道をロストして撤退しているようだ。
このまま先達川沿いの林道で迂回できないだろうか?





と、思ったが、その先で先達川沿いの林道は床板の無くなった橋で沢を越えていた。
積雪で凍りついた鉄骨の上を平均台歩きするのは絶対に危ないし……
大黒沢もそこそこ流れがあって渡渉は難しそうだ。
これは諦めるしかなさそうだな。




仕方ないのでコースマップ通り先達川支流の大黒沢を遡っていく。











大黒沢を渡る作業路のような橋が現れた。
どうやら水力発電所の施設のようである。









ここにはコースの標識がある。
つまり、ここまではコースであることは疑いようがない。
しかし、先行者たちはこの先で皆、道をロストして大黒沢の渡渉箇所を見つけられていない。
であれば、ここにある橋を使わせてもらう方が楽だろう。





橋を渡った先の斜面に木階段を発見。
もしかして、コースマップや国土地理院の地図は間違いで、これが本来の道なのでは、と浮足立ったが、踏み跡は藪に消えて道をロスト。
仕方ないので、山の斜面の歩きやすいところを適当に進んだ。
要はコースの続きである、斜面の上にある林道に合流してしまえば良いのだ。
幸い、冬枯れで藪漕ぎもそれほどしなくて良いので、さほど苦労せず斜面上の林道に立つことができた。
まあ、少し疲れたけどな……

林道分岐をコースマップ通りに行こうとすると、冬枯れでも近付きたくないような猛烈な藪に覆われた廃林道になった。
ううむ、これは多少遠回りでも現役の林道で迂回した方が良いな。







というわけで現役の林道で迂回する。
思っていたより雪が多いが、快適快適。









初冬の空気を満喫する。
気持ちいいな。











雪が深くなってきてペースが落ちる。
予想外だ……
スノーシューを持ってくるべきだった。








右からコースが合流してきた。
迂回終了。











天気は良くて最高だ。
日が当たっているところは雪が緩い。
ザクザク進むぞ。









コースは途中でまた林道から逸れるらしいのだが、全く分岐点が分からない。
標識もないので、このまま林道を進んでしまおう。
どうせ進む先は同じなのだ。







標高も結構上がってきた。
林道から見える山々。











さて、とうとう林道が果てた。
ここからコースは再び先達川沿いの林道に降りるのだが……
降りるための道は見当たらない。
というかあっても雪で分からない。
ここでリタイヤした先行者もいる。
しかし、ここまで来て引き返したくはない。
下へ降りる斜面……見たところ断崖絶壁というほどではない。
行けないか?

というわけで、積雪してるのを良いことに、なるべく緩やかな斜面を選び、慎重にずるずる尻セードで下ってきました。
何とかなるもんだね。
登り返すのは絶対に不可能だけど。






この辺りでコースが合流してきているはずなのだが、分からない。
国土地理院の地図にも一応ちゃんと記載はされているんだがな。
しかし、すっかり雪景色になってしまった。
スタート地点ではこんなに雪はなかったのにな。





鳥坂沢を渡る。












鳥坂沢の堰堤。












3時間ぶりの轍だ!
難関脱出完了!
ほっと一安心。










車道に復帰。
なお、コースは車道脇の遊歩道を歩くことになっているのだが、この雪の中を歩くのが面倒なので、普通に車道を歩くことにする。








坂を上っていく。













あー……
道路脇の雪の中に標識が見える……
夏は普通に歩けるのかね?









コースはここで車道を横断して引き続き遊歩道を歩く。
僕はもちろんこのまま車道を歩く。









この辺りの森はツァールの森と呼ばれている。
元駐日独大使のツァール氏が称えたことからそう呼ばれているそうだ。
確かに美しい森だ。







しばらく歩くと乳頭温泉鶴の湯に到着。











やって来ました、憧れの秘湯・乳頭温泉郷。
こんな山奥にあるとは、最高のロケーションだ。
まさに秘湯。
その中でもこの鶴の湯本陣は国の文化財にもなっている。
木造の平屋に茅葺屋根が素朴な日本の原風景を想起させる。














そして、今日はここに宿泊する。
少し早く着きすぎたので、1時間ほど散策した後に受付を済ませる。
部屋はこんな感じ。
良いねえ。







さて、日が沈む前に露天風呂に入ろう。
脇を川が流れる開放的な混浴露天風呂だ。
お湯は温めで、いつまでも入っていられる素晴らしい湯だ。
思っていたよりも雪が降っていたのも冬の情緒を増し、日本人で良かったと心から思う瞬間であった。
1時間も長風呂してしまった。












部屋でしばらくのんびりした後に夕食。
郷土料理尽くしで最高だ。
日本酒はもっきりで。
特にご飯を団子にしてきのこ汁に浸したものが格別だ。
こまち団子というそうだ。






この後、囲炉裏に吊るした鍋から山の芋鍋が供される。
味噌汁に山芋の団子が入っているもので、これがまた絶品であった。
大満足の夕食であった。







少し部屋で休憩した後に内風呂に浸かる。
冬の夜風が火照った体を冷ましてくれて心地よい。
雪の中の宿の灯は昼にも増して情緒深く、冬の澄んだ空に浮かぶ月に酔いしれながら、夜は更けていった。





2022/12/11(日)

翌朝。
早朝に露天風呂を浴びる。
ううむ、最高の朝だな。
もうしばらく逗留していたいが、今日はもう帰らねばならない。














朝食を頂いて出発。
今日はあまり天気が良くないようだ。














コースの続きを歩く。
まずは鶴の湯本陣脇の鶴の湯神社へ。










参拝。
今日も無事歩けますように。











神社の脇から山道に入る。
やはりスノーシューを持ってくるべきだった。
この後、コースが昨日以上の苦難になるとは、このときはまだ知らなかった……







分岐点だ。
標識があって助かった。
斜面を降りるようだな。










湯の沢を堰堤脇の橋で渡る。












ここからしばらく登り。
頑張ろう。











雪で道が分かりづらい。
急斜面が登りづらい……











道をロストした。
適当に登るか……











道を発見!
九十九折で斜面を登っていたようだ。
それにしても……しんどい……









峠に到着。
やれやれ……
あとは下りかなあ。












山の斜面をトラバースしていく。












この辺りの斜面は雪の吹き溜まりになっているのか、雪が積もって道が斜面と一体化してしまっている……
トラバースが仇になっている。
太もも辺りまで雪に埋まってしまってにっちもさっちも行かなくなってしまった。
これは時間と根気が要るぞ……




脚を何度も攣らせながら牛歩で進む。
まだか……
そうこうしていると、空に晴れ間が出てきた。
良い兆候だ。







樹林帯の下りに入る。
やっとトラバースが終わった……!
これで少しは進みが速くなるだろう。









谷底まで降りてきた。
沢を慎重に渡渉する。











樹林帯は積雪が少ないのでサクサク進む。
しかし、ここで少し道迷い。
国土地理院の地図だと蟹場温泉に向かってやや北回りで向かうことになっているが、道が見当たらない。
どうやら真っ直ぐ車道に向かうのが正解のようだ。




沢をいくつもの橋で渡っている。












最後の方は雪でよく分からなくなってしまったが、もう車道が見えていたので闇雲に突き進んで県道に脱出。
夏は藪になってるかもな。
積雪していて良かったのかも知れない。
それにしても、疲れた……





孫六温泉に向かう。












ここから車両通行止め。
車で辿り着けないという意味では、乳頭温泉郷では孫六温泉が一番の秘湯かも知れない。
(送迎車は通れるようだが……)








先達川に再会。
何だか久しぶりだなあ。











小さな橋を渡る。
ここは乳頭温泉郷の名の由来にもなっている、乳頭山の登山口でもあるようだ。















孫六温泉に到着。
良い雰囲気だ〜。如何にも秘湯という感じ。
鶴の湯温泉とはまた違った良さがある。
ここもいつか泊まってみたいなあ。













孫六温泉を抜け、先達川を渡る。












堰堤。
雪が降ってきた……
コースはこのまま黒湯温泉を抜けていくのだが、黒湯温泉が冬季休業中で道が通行止めに。
ならばと車道で迂回しようとしたのだが、雪が深くて断念。
もう少しすれば除雪された道路に出たかも知れないが……
どうせ同じところに戻ってくるだけなので、無理して行く必要もないと考え直し、来た道を引き返すことにした。

県道まで戻ってきた。
ここは大釜温泉。
本庄市にあった子吉小学校の廃校舎を移築したものだそうだ。
本当、良い雰囲気の温泉ばかりだなあ。







県道を歩いていく。












休暇村乳頭温泉郷にてゴール。
先ほど断念したコースもここで合流している。










すっかり体が冷え切ってしまったので、休暇村でランチ。
田沢湖ビールも飲むぞ。
ああ、旨い。
歩いたあとの温そばは格別だ。








バスに乗って帰る。
今回も楽しい旅であった。
         

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