2020年11月2日月曜日

              

新・奥の細道(青森)『No.02十和田湖畔を歩くみち』

2020/11/02(月)

十和田湖畔を歩く超絶の廃道を雨の中歩いた、苦闘の記録。
藪、倒木、崖崩れ全てを乗り越えて踏破したが、とにかく苦しかった。
十和田湖と豊かな森林を楽しめるとても良いコースなので、廃道になっているのはもったいなく感じる。
いつか再び整備される日が来ることを願う。











宿を発ち、バスで子ノ口に戻ってきた。
やはり予報通り雨か……
傘はあるが、役に立つだろうか。









遊覧船乗り場に案内板があった。
このコースの情報はネットにも見当たらなかったので正直不安だったのだが、こうして普通に案内板があるということは、案外普通に歩けるのか?








遊覧船乗り場の桟橋。
厚く立ち込める雲と遠く霞む外輪山。
今日はとても晴れそうにないな。









さて、じゃあ歩いていこうか。
……通行止め?
どうやら早くも初雪が降ったらしく、除雪作業が行われているようだ。
そう言えば昨日のバスも通行止めを迂回するためかなり遅延していた。






ゲートだ。
脇を通り抜ける。











湖畔の車道を歩いていく。
小畳石というのがあるらしいが、木々が邪魔でよく見えないな。











これかな?












どうやら車道の脇にすでに遊歩道があるようなのだが、朽ち果てて廃道になっている。
最初からこれとは……行く先が不安だなあ。









この辺りの紅葉もまた美しいな。
青い湖面と外輪山とのコントラストも美しい。











国道を逸れて青橅取水口に向かう。












軽快に歩いていく。
ずっとこんな感じなら良いのだが、まあこの車道は青橅取水口までだろうな。









青橅取水口に到着。













おや?道が……












廃道〜!
うああ……まだ先は長いのに……












しかし意外と踏み跡は残っていそうだ。
ずっと湖畔を歩くだけなので、迷うこともないだろう。









十和田湖に注ぐ沢。
木橋が架かっていたようだが、ほとんど落ちているので渡渉を余儀なくされる。










廃道故に、当然笹薮もある。
踏跡を見失うのが怖い。
全身びしょ濡れになるが、どうせ雨だから関係ないか……









一番辛いのは倒木である。
これだけ大きい木が倒れていると潜ったり跨いだりするのが大変だ。
アスレチックのようにクリアしていかなければならず、疲労する。








道を歩く辛さとは裏腹に、紅葉は蠱惑的なまでに美しい。
雨は強くなったり弱くなったりを繰り返している。
藪を漕いだり倒木を越えたりではどうせ傘は役に立たないので、もう濡れるがままに任せている。

















標識がボロボロになっている。
熊だろうなあ。
ときおり獣臭や気配を感じることがあったが、直接は遭遇しなかった。








水際ギリギリの崖を通るところは肝を冷やす。












今更通行止めの標識が現れた。
ここで引き返すつもりはもうないが……
土砂崩落というのが不安だ。
通れるのだろうか……









地図によると、ちょうどこの辺りが御鼻部山の直下だと思う。
御鼻部山は青森と秋田の県境になっており、実はこのコースは一部秋田県を通過している。
ここから秋田県の小坂町に入る。







道は何故か高巻きを始める。
湖に突き出した小さな岬を越えるようだ。











そして事前に警告のあった土砂崩落が現れてしまった。
写真には何故か撮っていないのだが、路面が抉られるように崩れていた。
地質がボロボロと崩れやすく、そのまま横断するのはどう考えても無謀。
高巻きを試みたが、斜度がきつすぎて無理そうだ。
30分以上悪戦苦闘して正攻法では無理だと悟った。
うう……ここまで来て引き返すのか……?

高巻きが駄目なら下に行くしかない。
幸い、十和田湖は遠浅になっていて、股下の水位ぐらいで湖畔を歩いていけそうだ。
どうせもう全身びしょ濡れなので何も気にすることはない。
このまま崖崩れを迂回してしまおう。
意気揚々と歩いていくと、悲劇が起こった。
深みに足を取られ、盛大に転倒。
カメラやスマホを水没させてしまった……
スマホは無事のようだが、GRDigitalⅣの電源が入らなくなってしまった。
うう……最悪だ……

崖崩れを迂回し、道に復帰できそうなところで湖から這い上がり、コースに戻る。
GRDigitalが使えなくなってしまったので、ここからはiPhoneSEでの最小限の撮影になる。








カルデラの解説板。
十和田湖は二度の噴火でできた二重式カルデラ湖ということだ。
沢のあるところにも標柱があるのだが、ほとんど熊に齧られてて判読できない。








トクサの藪だ。
「砥草」の字のとおり、古くからヤスリに使われる草である。
固くて痛い。









高巻きがあると、また崖が崩れてるのではないかとヒヤヒヤする。












湖畔を離れ、上り坂になる。
もう少しだ……!
最後に立派な橋を渡る。










藪の中から国道に這い出てきた。
お、終わったぁ〜!
しんどかった〜!
9時半に出発して現在15時半……
約13kmのコースに6時間も掛かった。
雨が降っていたこともあるが、これまで歩いてきたコースの中でもトップレベルにハードだった。
絶対にお勧めできない。
もうすぐ日が暮れてしまうが、今日は宿をとっていない。
つまり何処かで野宿する予定である。
とりあえず国道を上って滝ノ沢峠まで行こう……
         

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