黒い川の流れる宮城県コース第二の廃道。
まず言いたいことがある。
コースマップが間違っている!
そのせいで地図を信じて進み、散々迷って道なき道を行き、大変な目にあった。
ログは後日正しいコースを記録したので後にこのコースを歩く人は参考にすると良い。
が、いずれにしろ沢沿いの区間は廃道になっており、土砂崩れや倒木がひどいので歩くこと自体あまりお勧めはできない。
最上屋旅館を出発する。
情緒ある一軒宿で、薬効有る湯と美味な料理で一晩を快適に過ごすことができた。
鎌先温泉駅からスタートし、再び最上屋旅館の前を通るのだが、旅館の前に指導標識があった。
案内板は見当たらない。
国指定登録有形文化財になっている湯主一條の建物の脇の坂を上っていく。
こっちに泊まるのも魅力的だったのだが、ちょっとお高そうなので最上屋旅館で正解だったと思う。
あれ?行き止まりになってしまった……と思いしばらくウロウロしていたのだが、この突き当りを右に行く。
湯主一條の裏手のお茶場跡などの脇を通ると裏山への登山口が現れる。
指導標識もあるのでこの道で間違いないようだ。
少し荒れているが良い雰囲気の道だ。
竹林の急坂を上る。
もとの道が土砂崩れで消えてしまっているが、代わりの道が付けられている。
ここが分岐点のようだ。
とりあえず天狗の相撲場へ行く。
階段を上っていく。
この辺りはよく整備されていると思う。
倒木が道を塞いでいるが、迂回する踏み跡がある。
天狗の相撲場。
天狗の鼻のような石碑がある。
夜な夜な相撲をとるような地響きが聴こえたことからこの名が付いたという。
樹木が邪魔で眺望はあまりよくないが、蔵王連峰を望め、眼下には鎌先温泉が見える。
分岐まで戻り、北の方に向かって斜面を下る。
急に頼りない感じの笹原の中の踏み跡になってしまった。
注意深く歩かないと道を逸れてしまいそうだ。
九十九折に下っていく。
沢に降りてきたところで踏み跡がなくなってしまった。
さて、ここからはコースマップを頼りにした誤った道順となるので、これからこのコースを歩く人は参考になさらぬよう気を付けてほしい。
正しいルートは後述する。
コースマップによると沢を渡って対岸の斜面を上るようだ。
渡渉できそうな箇所を探して沢沿いに西に歩くと対岸にはっきりとした道が見えた。
足を濡らしながら渡渉し、対岸の道へ取り付く。
やや不明瞭ながらも道は杉林の中に続いているので安心して道を辿っていく。
しかし、この時点でコースマップよりもやや東よりを進んでいると気付いていた。
しかし他に道もなさそうなのでそのまま進んでいく。
思えばこれは林業関係の作業道の一部だったのだろう。
尾根を越えたようだ。
ここから悪戦苦闘が始まる。
尾根を過ぎるといくつもの作業道が複雑に分岐していてどれを辿れば良いのか分からない。
しかし、結論を言うとどの道もコースマップ通りの下り方はしていないようである。
コースマップでは谷の斜面を下るようになっているが、そのような道はない。
仕方ないので明確に下っている作業道を辿っていく。
竹林の中、急坂を下っていくとどうやら山を降りることはできたようだ。
コースマップよりもかなり北側に降りてきたらしい。
その後、1時間近くの苦闘があったのだが、その間写真を撮っていないので余程うんざりしていたのだろう。
とにかく山を降りたは良いものの、湯川を渡る橋がなく対岸の道へ行くことができない。
川は水量が多くとても渡渉できそうにない。
なのでここでもコースマップを参考に本来の道へ復帰しようと南へ道なき道へ進むも、途中で山に阻まれ、せっかく下ったのにまた上り返す羽目になった。
そしてコースマップで道があるべきところへたどり着くも、やはり道は影も形も見当たらない。
仕方ないので倒木の海と化した危険な急斜面を恐る恐る下り、どうにか渡渉できそうなところまで下ってきたのが写真の場面である。
本当に苦しかった……
渡渉できそうとは言っても膝下ぐらいまでの水量があったので防水の靴の中まで濡らして対岸に取り付いた。
廃屋の裏手から這々の体で対岸の車道へ復帰した。
車道を北へ歩いていくと標識があった。
道なんてどこにもなかったじゃないか。
こけし村に入った。
木地師の工房があちらこちらにある。
コースマップではここの分岐を左折してこけし神社を見にいくようになっているが、こけし神社は別の場所に移転しているため、行く意味はない。
と、言いつつ一応行ってみた。
この辺りに神社があったのではないか。
分岐まで戻り、歩いていくとコース沿いに移転されたこけし神社がある。
参拝した。
こけし村の終わりに弥治郎こけし村バス停がある。
ここをゴールとした。
こちら側にも案内板はなかった。
この後、続けて連絡コースを歩いた。
2018/03/20(火)
さて、本当に道はなかったのだろうか。
家に帰ってからネットで色々とこのコースについて探っていると、見つけた。
このコースの正しいルートを歩いている方の記録を。
なるほどね、そういうことか……
そうと分かると正しいルートを見つけられなかったことが無性に腹立たしく思えてきた。
居ても立っても居られず、一週間後に再びこのコースを歩きにきてしまった。
交通費も馬鹿にならないのに、我ながら変な執念だと思う。
今回は確実を期すために逆コースで歩きたいと思う。
山側からだと分岐を見つけられないと勘案しての判断だ。
こけし村を歩いていく。
県道の旧道と思われる。
ここに入っていく。
前回はここの廃屋の裏手から出てきた。
コースマップもおおよそこの辺りから車道に合流するように記載されているが、これは誤りである。
県道をそのまま南下していく。
コースマップには記載のない区間だ。
鎌先温泉まであと200mのところで、右手に東屋が現れる。
ここが山道と車道の真の合流地点である。
つまり、湯川は車道で渡っているので渡渉の必要はないのだ。
東屋の脇に里程標があった。
これでここが東北自然歩道のコースであることが確定した。
東屋の奥に確かに道が続いている。
さあ、一週間前のリベンジを果たそう。
竹藪をかき分けて階段を上ると、荒れた崖伝いの石積みとコンクリートの道が始まった。
これはかなり不安な始まり方だな……ちゃんと踏破できるんだろうか。
No.1みたいなのはもうごめんだぞ。
早速だが滝だ。
これを越えるために高巻きしていたのだな。
これは……橋に流木が引っかかってビーバーダムのようになっている。
今後幾度もこういう箇所が現れる。
これを乗り越えるのはなかなか難儀する。
だが基本的に今後ずっと沢沿いの地に足の着いた道が続くので、下手をしたら怪我ぐらいするかもしれないが、No.1コースのように直接命の危険を感じる場面は少ない。
道が土砂崩れで流失している箇所も多く、渡渉を余儀なくされるが、水深が浅いので比較的容易に進める。
しかし、雨のあとなどで増水していると通行不可能になるだろう。
それにしても、水が黒い。
これは鎌先温泉の鉄分の成分を含んでいるせいだろう。
ありゃー橋ごと逝ってるな。
まあ、進めないことはない。
しかし、ちゃんと整備さえされていれば中々良いコースだと思う。
これだけ流木が多いのはきっと台風か何かでこの沢が大増水したのだろう。
これを全て片付けるのは大変な労力だろうから、廃道化に任せている現状も理解できる。
ここはちょっと嫌らしい場面だ。
落ちたら怪我しそうなので一度沢に降りた方が良いかも。
再び高巻きするようだ。
滝を越える。
うーん、ここはどっぷり足を濡らしていくしかなさそうだ。
よいしょ。
ここまで順調(?)に来たのだが、この橋を最後に道が無くなってしまった。
道はどこへ……?
しかし前回のログで笹原の斜面を下ってきた場所まであと数十メートルのはずである。
最後の最後でもやっとする展開だが、杉林の中を突っ切る。
前回も歩いた笹原の斜面の踏み跡に合流した。
つまり、逆から来た場合は沢に突き当たったらそのまま沢沿いに東に進むと上の写真の橋に出会えるはずである。
しかし……こんなの分かるか!
コースマップも間違ってるし、踏み跡も標識も何もないので事前に知らない限りは必然的に迷う。
天狗の相撲場まで上り、そこでコーヒーを飲んでいたのだが……
ん?よく見たらあちらこちらでマンサクが咲いてるじゃないか。
これは再訪して気付けた嬉しい発見だな。(前回歩いたときの写真にもよく見たら写っている(笑))
もう春も近いのだな。
湯主一條まで降りてきた。
これも今回はじめて気付いたのだが、湯主一條の裏手の一番奥の方にご神木のような立派な樹が生えている。
傍らに祠もあるので何らかの信仰の対象になっているのだろう。
参拝した。
今回は木村屋旅館でゆっくりと日帰り入浴を楽しんだ。
やはり露天は良いね。
ぬるくて気持ちのいい湯だったのでつい長湯してしまった。
鎌先温泉駅に到着。
ここをゴールとした。
何とかリベンジを果たした。
バスで白石駅に向かい、帰路に就いた。
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