東海自然歩道、最後の神奈川県コースになった。
西丹沢から甲相国境尾根を辿り、山中湖畔に降りて甲斐国に入る。
ラストステージらしくほぼ全てが山道の、22.8km、標準タイム11時間40分のハードなコースだ。
僕の能力では体力的、時間的にも厳しいので、今回は途中の菰釣山避難小屋に一泊して踏破することにした。
やはり尾根に取り付くまでが最も苦しく、尾根に取り付いてからも菰釣山まではアップダウンも厳しく体力を消耗する。
菰釣山から先はアップダウンも減り、しだいに穏やかな尾根歩きになり、ブナの美林を楽しむ余裕も出てくる。
苦しい道のりを辿った先に待っている、高指山からの山中湖と富士山の眺望は感動ものである。
関東もようやく梅雨が明け、安定した晴天の得られる休日が訪れた。
今回は無人の小屋に山中泊ということで、インターネットから神奈川県警に登山届を提出しておいた。
梅雨明け後の晴天の休日だというのにバスはいつもより人が疎らであった。
ハイカーたちはアルプスなどへ移ってしまったのだろうか。
やはり7月より人気が少ない感じがする。
今回は滝壺へは降りずにそのままコースを行く。
今日は体力温存のためになるべく寄り道はしない。
荷物はなるべく軽くしたつもりだが、やはり水が重い。
菰釣山避難小屋付近に水場があるらしいが、あまりアテにはできない。
1日当たり1L、予備に500mLで合計2.5Lを背負う。
苔生した岩と木々の緑が陽に照らされて美しい。
沢沿いに歩いていく。
コース中最も苦しいところだ。
疲れた……
少し休憩。
モロクボ沢ノ頭を目指す。
ここでNo.8と別れ、初めてNo.10単独区間に入る。
この辺りからはほとんど人気はなくなる。
11:45、通過する。
前半の疲労も尾を引いていて、再び疲れてきた。
椅子に倒れ込み、天を仰ぐ。
少し長めに休憩を取った。
ちょうど昼時なのでシリアルバーを食べた。
疲労していて喉を通りにくいが、腹は空いていたので無理矢理詰め込む。
水を節約したいのだが、喉が渇く。
少し重量増になるが、夏場はゼリーの方が良かったか……と少し後悔。
城ヶ尾峠は歴史ある峠のようで、相模国と甲斐国を結ぶ要衝であったようだ。
名前からもそれが伺える。
ここから古道を辿り山梨県道志村には降りれるが、丹沢側の古道は荒廃しているようだ。
空が開けている。
階段が整備されている。
ありがたい。
食べれば美味らしいが……
ここから少し山梨側に下ると水場があるが、水の節約の甲斐あって今日は1Lで済みそうだ。
ブナ沢乗越からの上りで右脹脛が攣っていたので、予定より早く到着できて良かった。
ここが今日の宿だ。
中は清潔で快適に一晩明かせそうである。
ストーブでコーヒーを沸かして飲んだ。
ああ美味い……
荷解きをして、スキットルからウィスキーを飲んで少し昼寝する。
トマトソースにソーセージとひよこ豆を入れて煮るだけ。
手抜きである。
微風で炎が逸れるとかなり熱効率が落ちるようだ。
風防でクッカーをしっかり覆わないと駄目らしい。
コーヒーを沸かすのに少しアルコールを無駄にしたが、夕飯では多すぎた。
難しいな。
小ビールとライ麦パン、クリームチーズを付け合わせる。
あまり食欲がないので、小屋の日誌を見ながらゆっくり食べた。
パンは一切れで十分だったな……
5:50、朝靄の中、小屋を出発。
昨日は貸し切りかと思っていたら18:30頃、一人男性が来てこの日の宿泊客は二人であった。
19:00頃に日が沈むともうやることもないので、二人とも言葉も交わさず早々に床に就いた。
男性はエアマットだが、僕はクローズドセルマットで、寝心地は良いとは言えない、ないよりはマシ程度の代物だ。
気温は最適で寝苦しいこともなかったが、慣れないこともあって中々寝付けなかった。
それでも22:00を過ぎるとようやく翌朝の4:00頃まで一睡出来た。
嵩張らないし次回はエアマットを持参しよう。
今朝はハウスブレンドだが、昨日飲んだイタリアンブレンドの方が香り高くて美味かったな。
そうこうするうちに男性は荷造りを終えて先に発った。
僕も後を追う。
地図から分析して、菰釣山への上りは険しいと思っていたのだが、実際はそうでもない。
朝一番でまだ元気なこともあり、軽快に上っていく。
西側に展望が開けるらしいのだが、生憎ガスで何も見えない。
ここがコースの最高標高点のようだ。
腹が空いてきたのでゼリーを食べた。
白昼夢を見ているような幻想的な風景だ……
こんな風景があったんだな……
都内では猛暑日らしいが、尾根では冷たい風が吹き付けてきて肌寒いぐらいだ。
火照った体を冷やしてくれて爽快だ。
気持ちいい。
少し休憩。
空が開けていて明るい雰囲気だ。
ああ、この辺りは本当に最高の道だ。
こんな美しい天然林を独り占めである。
城ヶ尾峠、ブナ沢乗越以来のエスケープポイントだ。
このまま高指山を目指す。
ここは少しおっかない。
慎重に下る。
青い実を付けている。
日当たりの良い斜面を上ると……
ここで初めて山中湖と富士山の眺望が得られた。
ここまでの苦しい道のりを思うと感動も一入である。
晴れているのだが……残念ながら富士山には雲が蟠っていて裾野が見えるのみである。
可憐で美しい。
草原に腰を下ろし、しばらく景色を見ていた。
旅情を掻き立てる美しい風景だ。
ここまで歩いてきた甲斐があった。
ここで尾根を離れ、山梨県へ下る。
ようやく暑さを感じる。
別荘の家屋も現れる。
そのまま直進する。
ここが東海自然歩道の神奈川県と山梨県コースの分岐点だ。
10:00、ようやくのゴール。
ちょうど自販機があったのでソーダを買って呷る。
ふう、達成感が込み上げた。
ここで二日間の汗を流した。
特に檜露天風呂がぬる湯で気持ち良かった。
少しすると富士山駅行きのバスが来たので、駅に向かう。
バスの中では疲れが出て、船を漕いでいた。
この後近くの店で吉田うどんを食べ、高速バスで東京駅に向かい、帰路に就いた。
神奈川県はとにかく丹沢で登山の面白さ、楽しさを学んだと感じた。
これまでは山は単なるコースの通過点というような認識だったが、丹沢は花、滝、樹々等、これまでになかった美しい自然が豊富で、山を歩くことそのこと自体を楽しいと感じた。
さあ、次回からは再び関東ふれあいの道を歩く。
今回は泊まりで二日間の行程だったが、やはり日帰りの方が気楽で良い。
コメント遅くなりましたが東海自然歩道、神奈川県コースの踏破おめでとうございます。また、お疲れさまでした。
返信削除今回は避難小屋に一泊したという事で、何か不自由な点などありませんでしたか?
参考にしたいと思いますので、気が付いた点など教えて頂けると有難いのですが、宜しくお願いします。
くれぐれも事故や怪我の無い様、気を付けて下さい。今後もブログ楽しみにしています。(^_^)
ありがとうございます。
削除初避難小屋泊ということで多少不安はあったのですが、全然問題ありませんでした。
やはり普段寝ている布団のような寝心地は期待するべくもないのは当然ですが、ここは工夫と馴れしだいで何とかなりそうです。
強いて言えば、虫の羽音、同小屋で宿泊される方の呼吸や寝返りの音が気になるようであれば耳栓ぐらいは持参していくと良いかもしれません。
でも自然ならではの虫の音や葉擦れの音を聞きながら眠るのもオツなものですよ。