長い尾根縦走のコース。
とりわけ棒ノ嶺と岩茸石山手前の上りが急傾斜で辛いが、それ以外のアップダウンは比較的緩やか。
しかし、距離が長いので苦労する。
棒ノ嶺と岩茸石山では最高の眺望が得られるが、ゴールデンウィーク初日とのこともあり、人で賑わっていた。
当日はよく晴れて樹林の中も明るい雰囲気の中歩くことができた。
川井駅に到着。
駅から階段を下り、交差点を渡ったところにバス停がある。
駅でたくさん人が降りたので驚いた。
皆、棒ノ嶺に向かうのだろう。
ハイカーたちとしばしバスを待つ。
上日向バス停に到着。
ここで降りたのは僕だけだった。
バスは百軒茶屋手前の清東橋まで向かうのだから当然だろう。
運転手にも「もっと奥まで行くけど、ここでいいの」と聞かれた。
しかし、百軒茶屋まで抜けていく集落も捨てたものではない。
大丹波川の清流を眺めながら歩く。
清東橋バス停に到着。
ここまでちょうど15分ぐらいだ。
清東橋を渡る。
陽光に照らされた沢の水面と新緑の葉。
美しい。
百軒茶屋を抜けていく。
奥茶屋に到着。
ここから車道を離れ、山道に。
木橋を渡る。
大丹波川と別れる。
山葵田の作業道を歩いていく。
ここも結構な上りだ。
歩いていると、清東橋でバスを降りたと思しきハイカーたちに追いついてしまった。
やはり一人黙々と歩いてる僕に比べるとスローペースのようだ。
山葵田を抜けると植林地の斜面の急勾配の九十九折が始まる。
ここからが心臓破りの苦しい上りになる。
少し開けた箇所を抜けて再び樹林の中に入ると、岩がゴロゴロとした様相を呈すようになる。
うぐぐ……何処まで続くんだこの上りは……(無論山頂までだが)
急な激しい運動で早速筋肉が悲鳴を上げ、ふくらはぎの内側やくるぶし近くの脛が攣る。
痛い痛い!
途中、林業従事者と思しき作業員たちが休憩していた。
想像を絶する大変な仕事だ……
玉の汗を流し、息を喘がせながらもようやく棒ノ嶺山頂に到着した。
ここはコースでも最も苦しい上りであった。
山頂の山桜は、少し前まで咲いていたようだが流石に散ってしまったようだ。
山頂はハイカーで賑わっていた。
前回も来たが、やはり素晴らしい眺望である。
コーヒーを一杯飲んだのだが、強風が吹きつけてきてコップごと吹き飛ばされそうだった。
この日はこの後も昼にかけて風が強かった。
山頂標識が第一チェックポイントなので写真を撮った。
棒ノ嶺を下り、平坦な尾根道に取りつくと間もなく権次入峠。
ここで埼玉県No.1コースと別れ、初めて東京都単独区間に入る。
下り基調のアップダウンをこなしていく。
新緑は美しく、春鳥の囀りも耳に心地いい。
木々の合間に見える蒼い峰々も山深さを演出している。
やはりこの時期の山行は最高だ。
労せず黒山山頂に到着。
山頂には三角点があった。
ここは休憩せずそのまま先に行ってしまおう。
黒山から岩茸石山までは3.4kmもあり、距離が長い。
その間、いくつか小ピークも越えていく。
しばらく明るい尾根道だったのだが、少し薄暗い樹林の中を通る。
すると途中に展望の開ける岩の張り出した展望台のようなところがある。
大丹波川沿いの集落を見下ろすことが出来る。
…………雲かと思ったが、正面に大きな台形の白い頂きが覗いているのは、もしかして富士山だろうか……
方角的には見えてもおかしくないと思う。
まだ岩茸石山までは遠い。
大きな岩の間を通り抜ける。
植林地がときおり現れる。
急斜面を上り……
下ったところが名坂峠である。
岩茸石山はもう目の前だ。
山頂手前の上りは苦しいが、もうすぐ山頂だと自分を奮い立たせて頑張る。
岩茸石山山頂に到着。
岩茸石山からの眺めもやはり素晴らしい。
棒ノ嶺よりも近くに関東平野に広がる東京の市街地を見渡せる。
辿ってきた稜線を振り返る。
正面に一際高く聳えるのが棒ノ嶺だろう。
あそこから尾根を辿ってきたのか。
権次入峠からここに来るまでにはそれほど多くのハイカーとはすれ違わなかったのだが、山頂はハイカーで賑わっていた。
不思議に思ったが、どうやら麓からここまで直接上ってこられる登山道があるようだ。
景色を眺めながら2杯目のコーヒーを飲んだ。
腹も空いてきたので、小さいスニッカーズも一つ食べた。
岩茸石山を下る。
しばらくは下り基調の穏やかで歩きやすい道だ。
と、惣岳山の手前で突然スリリングな岩場が現れる。
この崖のような岩場を上るようだ。
これはちょっと面白いな。
上るのは少しだけなので、滑落の恐怖を感じるほどではない。
手掛かりや足掛かりも多い。
岩場を過ぎると惣岳山山頂に到着。
山頂には青渭神社があるが、これが第二チェックポイント。
参拝した。
フェンスに囲われているが、中を覗いてみると精緻な木彫りが面白い。
山頂を少し下ったところに真名井天神と青渭井がある。
惣岳山から御嶽駅まではほぼ下り一辺倒だが、やはり距離が長い。
まだか、まだかと坂を下っていく。
途中、「しめつりの御神木」と示された大きな杉の木が立っている。
まだ駅は遠い。
車両でも通行できそうな幅の広い平坦な場所に出てくるが、林道というわけではないようだ。
工事用道路の名残かもしれない。
岩の間を通る。
少しアップダウンをこなすと、送電塔の脇を通る。
大きな岩が転がっている。
小さな送電塔を脇目に通り過ぎると、3つ目の送電塔の下を潜っていく。
ようやく尾根を離れ、九十九折で斜面を下っていく。
慈恩寺という寺の境内に出てきた。
まさか寺の境内が登山口になっているとは。
寺を出てそのまま車道を横断し、踏切を渡る。
もう御嶽駅のホームが見えている。
踏切を渡ったところに、苔むした茅葺屋根の「玉川屋」という蕎麦屋がある。
ここで遅めの昼食とした。
天そばを食べた。
下山してきたハイカーたちで繁盛しているようだ。
玉川屋の前には青梅市最古の道標がある。
日原山道と御嶽山道を示しているようだ。
国道411号(青梅街道)に出てくると、すぐに御嶽駅がある。
そして御嶽駅に隣接して御嶽インフォメーションセンターがある。
関東ふれあいの道のパンフレットも無料で置いてあるので、入る価値有りだ。
御嶽駅から運良く東京駅まで直通するホリデー快速奥多摩号に乗れたのだが、強風の影響で五日市線と接続が出来ず、結局拝島駅から青梅線に乗り換える羽目になった。
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