東北自然歩道最北のコース、そして本州最北のコースでもある。
前半は薬研渓流を遡り、後半は森林鉄道跡を辿る見どころの多いコースだが、前半は大荒れ、というか完全に廃道になっている。
正直、無理して歩いたことを後悔したので、素直に迂回するのをお勧めする。
右へ。
畑の主だろうか。
やたら「立入禁止」の立札が林立していた。
やれやれ……
道を外れて林の方に迂回しようとするが、泥濘が酷くてにっちもさっちもいかない。
この倒木は最近のものなのだろうか。
今度は高巻きしてみようとしたが……駄目だ。
河原の方に降りて迂回しよう。
これはいかんな。
結構広範囲に渡って崩れているようだ。
再び河原に降りるしかなさそうだ。
普通に歩ける道だったら楽しそうなのになあ。
水辺の景色はやはり良い。
道がボロボロだ。
これだけ荒れた道だとこれを見にくるだけでも一苦労だな。
ううむ、もとは橋が架かっていたのか?
大変だったぞ……
逃げ場無し!
ここに来て進退窮まった〜。
道なき斜面をよじ登ると……林道があった!
これをエスケープに使うぞ。
うう……何とか生還を果たしたい。
林道から薬研渓流を見下ろす。
うわ〜危ない!
出口まで行けるのか?
どこかでコースが合流しているはずだが……分からんな。
ズボンも靴もドロドロになってしまった……
いや〜酷い道だった!
ここ数年歩いた道の中でもかなり壮絶だった。
連絡コースの正津川林道もだが、やはり先日の大雨の影響なのだろうな。
すぐに休憩所がある。
トイレは閉鎖されて使えないが……
休憩所の裏手にコースの続きがある。
性懲りもなく侵入。
さっきに比べるとなかなかしっかり整備された遊歩道だぞ。
県道と平行して進んでいく。
道いっぱいに流木が積み上がっている。
ちなみにここから屏風岩が見えるらしいのだが、見えなかった。
小さな祠だが由緒ありそうな神社だな。
参拝。
駄目だ、引き返そう。
ここは右へ。
左に行くと恐山に行ける。
ちなみに、通行止め区間はここまでだ。
ここでキャンプするのも良いな。
今はオフシーズンだが。
今日はちょっとパス。
ということは……ここから森林鉄道の軌道跡だぞ!
照明がないので結構怖いぞ。
レールだ!
うお〜本当にここをトロッコが走っていたんだな。
いいなあ、ロマンだな。
県道へエスケープできる吊橋だが、このまま遊歩道を進むぞ。
大畑川に並走するレール。
良いアングルだねえ。
大畑森林鉄道は明治44年に馬がトロッコを引く軌道として誕生した。
その後、大正15年には蒸気機関車、昭和26年にはディーゼル機関車も走っていたらしい。
往時の賑やかさを想像しながら歩く。
ポニートラスの鉄橋を渡って県道へ。
明日歩く連絡コースのゲートだ。
つい一昨日から冬季閉鎖になったようだ。
靴がドロドロなので、流石にこのまま入ったら顰蹙を買うな。
出来る限り泥を落とした。
ここは食事が出来る他、薬研温泉の露天風呂に入ることも出来る。
食事はレストハウスなのでちょっとしょぼい。
それじゃあ、民宿まで歩こうか。
途中、渓流らしく深い渕があった。
ここでニホンザルの群れに出会った。
これが世界最北の野生の霊長類か。
これより北には人間しか居ない。
どうも人馴れしているようで、近付いてもなかなか逃げなかった。
写真を撮れば良かったな。
ドロドロな僕を気遣って洗濯機を貸してくれた。ありがたい。
薬研温泉の風呂も堪能し、夜が更けていった。
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