奥入瀬川に沿って国道を歩き、焼山温泉を目指す。
途中に道の駅「奥入瀬」がある他、法量のイチョウ、最後にはもちろん温泉も楽しめる、楽しい連絡コースだ。
また、新渡戸稲造の父、新渡戸十次郎が手掛けた三本木原開拓事業の一つである、稲生川疎水の隧道も見ることができる。
熊ノ沢川を渡る。
ん……?
ただの水路トンネルにしては何だか大げさな……それに坑門のアーチの意匠などから見て、どうやら歴史がありそうだ。
奥の方にやはりトンネルがありそうな気配がする。
見にいってみよう。
こっちには銘板がないが、調べるとこれは天狗山トンネルというそうだ。
これら水路の正体は、新渡戸稲造の父の新渡戸十次郎が手掛けた三本木原開拓事業で主要な役割を果たす、稲生川疎水である。
稲生川は人工の河川であり、「三本の木も生えない」ことから三本木原と呼ばれていた不毛の土地を開拓するために奥入瀬川から取水して作った水路なのである。
十和田市街地でも今なお町中に張り巡らされた水路を見ることができる。
村人総出で協力し、まさしく地域の未来のために努力して作り上げ、そして今もこうして現役で使われている。
土木工事とは人間社会の未来への礎なのだと、改めて尊敬の念を抱いた。
右折すれば先ほど見た水路の取水口があるそうなのだが……残念だが、道の駅に寄りたいので直進する。
ありがたいことに解説板がある。
この集落の斉藤季編という者が私財を投じ、この地の開拓に成功したことを称える碑のようだ。
前述の稲生川疎水より以前から、奥入瀬川から取水して水路を作る試みは行われていたようで、その一つが新田堰を取水口とするこの地に作られた水路だったようだ。天保6年のことである。
天保の飢饉がまさに東北の地を襲っていた頃で、故郷のために注がれた苦労と情熱のほどは記録だけでは計り知れないものがある。
先人たちの苦労を思うと、尊い風景である。
その先には八甲田山が見える。
さて、今日は時間があるので寄っていこう。
ちょっと早いが、せっかくなのでここでお昼を食べていってしまおう。
迷ったが、奮発して青森県産黒毛和牛のステーキと奥入瀬ビールのアンバーラガーを注文。
旨い!最高!
その後も、コーヒーとアップルパイを食べながらゆっくりした。
焼山へ向けて国道を歩いていく。
市街地を離れ、再び山間の田園地帯へと変わる。
収穫を終えたあとの積み藁が物寂しい。
どうやら営業していないようだ。
トイレがあるので休憩しておこう。
見にいってみよう。
残念ながら黃葉していないが、例年黃葉しないまま葉を落とす気まぐれなイチョウなのだそうだ。
参拝する。
風情があって良いね。
これも古い疎水の名残なのだろうか。
西日が眩しい。
また歩道がなくなってしまい、また奥入瀬渓流からの帰りのラッシュなのか、車通りが多く辟易する。
今日の宿に向かうため、国道から逸れて奥入瀬川を渡る。
素朴な民宿だが居心地は良く、料理も絶品で、夜はせんべい汁などの郷土料理も楽しんだ。
大満足だ。
宿の主人に、「これから十和田湖を経て、滝ノ沢峠を越えて、津軽の方へ歩いて向かう」と言ったら驚いていた。
2020/11/01(日)
昨日は晴れていたのだが、今日は少し曇っている。
少し残念だが、まあ仕方ない。
宿で朝食をいただいて出発する。
今日は奥入瀬渓流だぞ。
この交差点を左折する。
隣には大きなホテルもあり、どうやらこの辺りが奥入瀬渓流散策の拠点になっているようだ。
No.1コースの起点もこの辺りにあるはずなのだが……
それじゃあ、東北の一大観光地、奥入瀬渓流を歩こう。
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