榛名湖外輪山を辿り、榛名神社に至る。
相馬山までは快適な歩行だが、天目山、氷室山に至る道は急な木階段のアップダウンが続き辟易する。
更に言えば常に榛名湖周辺の喧噪が聞こえてくるので静かな心地で歩けないのが難点だろうか。
しかしそれを補って余りある眺望が望めるし、榛名神社へ至る道は古道の趣きがあって良い。
榛名神社も想像以上に立派で幽玄な雰囲気で圧倒される。
宿を発ち、バスでヤセオネ峠までやってきた。
榛名湖に向かって歩くと渋川市から高崎市に入る。
左手に見えている鳥居を潜る。
朽ちかけた鳥居を幾つも潜っていく。
少し不気味だ。
しばらく歩きやすい森の中の散策路のような道を歩いていく。
再び鳥居が見えてきた。
階段を上ると相馬山登山口が現れる。
相馬山は黒髪山とも呼ばれる信仰の山のようだ。
かなり険しい道のりらしいのでここは素通りする。
長い階段を下りていく。
階段を下り切ったところで視界が開けて榛名富士が真正面に見える。
壮麗だ。
更に階段を下っていく。
磨墨峠に到着。
臼の様に孤立した岩塊が見えるが、あれが磨墨岩のようだ。
この先でゆうすげの道が分岐するが、とりあえず素通りする。
更にその先で行人洞へと分岐する小道があるので寄り道してみた。
磨墨岩に空いた穴のようだ。
中に仏像が祀られていた。
左手に磨墨岩に上る道が分岐する。
ちょっと大変そうだが上ってみよう。
急な岩肌を上っていくと梯子が現れた。
これを上る。
磨墨岩に登頂。
素晴らしい眺めだ。
榛名湖も見える。
榛名富士と榛名湖。
眼下には磨墨峠も見える。
景色を独り占めしながらしばらくコーヒーを楽しんだ。
コースに戻る。
しばらくはアップダウンも緩やかに快適に歩ける。
階段を下りていくと車道に合流する。
ここが松の沢峠のようだ。
ここで少しゆうすげの道に寄り道してみた。
関東ふれあいの道の標識もあるが、ゆうすげは夕方から咲き始め夜に満開になる花らしいので、この時間に来てもさして面白くはない。
コースに戻る。
車道を横断する。
階段を上り切ると開けた道に出てくる。
ときおり榛名湖が見える。
階段を下りていくと再び車道を横断する。
うおおお……!
マジか……!
見上げた果てまで階段が続いている。
ここから天目山山頂まではもうひたすらに階段を上り続ける。
これは興醒めだ……。
ふうふう……。
まだか……!
もう終わり……?
まだかよ!
天目山山頂に到着。
特に眺望は得られない。
うーむ、何ともつまらん山だった。
で、登ったと思ったら今度はまた一気に階段で下る。
何なんだこの山は!
下るだけ下ったと思ったら間髪入れず今度は氷室山に向けての上りが当然のように階段の連続で続いている。
登山じゃなくてトレーニングでもしているみたいだ……
氷室山に登頂!
もう息も絶え絶えだ。
氷室山山頂は狭いが榛名湖がよく見える。
素晴らしい眺めだ。
ここから見える榛名湖と榛名富士がチェックポイントのようだ。
狭くて自撮りがし辛いが、何とか写真に収める。
昨日宿泊したレークサイドゆうすげとその背後に掃部ヶ岳が見える。
下りも当然階段である。
つまらない……
さて、このまま榛名神社に向かうのがコースだが、少し天神峠に寄り道してみる。
途中に立派な石灯篭がある。
中部北陸自然歩道で縁のあった塩原太助の寄贈したものであるらしい。
天神峠。
バス停や案内板がある。
かつてはここがスタート地点だったらしい。
コースに戻り榛名神社を目指す。
しばらくはよく整備された歩きやすい道だ。
山道は榛名川源流に沿っていく。
轟々と音を立てて流れる水量の多い沢で、砂防ダムがたくさん設置されている。
砂防ダムの管理道を離れると道は荒れてくる。
丁目石なるものがあった。
何だろう?榛名神社への旧参道の名残だろうか。
再び広い整備された道に出てきたが、左手に逸れる小道がコースのようだ。
左手の小道に進むと常滑の滝という豪快な滝が現れる。
落差はないものの水量が多いので大迫力だ。
これは凄い。
ちょうどベンチがあったのでここで2杯目のコーヒーを楽しんだ。
滝から更に下流に流れていく榛名川。
更に先に進むと神社裏バス停に道が分岐するが、バス停に向かう道は明瞭に見えているものの、榛名神社に向かう道がどうにも分からなくてしばらく右往左往した。
涸れ沢のようになっている窪みを辿れば良いようだ。
森に西日が差し込んできた。
少し歩きやすい道になってきた。
橋を渡る。
袂を流れる榛名川が幻想的で美しい。
奇妙な岩がそそり立っていた。
何だろう?神社に曰くのあるものだろうか。
後で調べてみるとこれは九折岩と言うそうだ。
日当たりのいい場所が藪になっていた。
少し藪を漕ぐ。
大きな砂防ダムの脇を木板で下りていく。
大きな砂防ダムの下に降りてきた。
榛名川上流砂防堰堤と言って国登録有形文化財だそうだ。
よく見るとコンクリートではなく石を積み上げて出来ている。
榛名神社境内に入る。
祝日ということもあってか凄い人の賑わいだった。
そして何より立派な境内だ。
幾つもの巨岩・奇岩が聳え立ち、由緒ありそうな佇まいの寺社がそれらを取り囲んでいる。
特に拝殿へは凄い行列が出来ているので、これは今日は参拝は諦めた方がいいだろう。
代わりに脇にある額殿に参拝しておいた。
双龍門を潜る。
神幸殿。
矢立杉。
神宝殿。
瓶子の滝。
これは特に素晴らしかった。
巨岩の隙間を滑り落ちるように流れ出る滝が何とも清楚かつ壮麗で美しい。
これまで見てきた滝の中でも最良のものだと思える。
鞍掛岩。
岩が天然の架け橋となっている。
自然とこうなったのだろうか。
何とも神秘的である。
随神門。
これもまた立派なものだ。
思えば昼食を食べそびれていたので、境内を出たところの茶屋で汁粉を頂いた。
坂を下っていき大きな鳥居を潜り、振り返るとその向こうに榛名山が見えていた。
二日間に渡って榛名山を満喫したが、赤城山に比べて少し物足りないと言うのが正直なところだ。
榛名山山麓も伊香保温泉を覗けば地味な感じがする。
せめて榛名湖をもう少しじっくり眺めたかったような気はする。
しかし、伊香保温泉や榛名神社はとにかく素晴らしい景観を楽しめたところで、この点については赤城山に全く引けを取らないと思った。
榛名神社前のバス停で少し待っていると高崎駅行きのバスが来たので、それに乗って帰路に就いた。
15番コースお疲れさまでした。上毛三山は残すところ妙義山のみになりましたね。私が歩いた感想では、妙義山が一番面白かったです。
返信削除関東ふれあいの道で歩いて以来、登っていませんが、もう一度行ってみたい山です。
ところで榛名山ですが、掃部ヶ岳が最高峰で、そこには登っておきたいところですが、榛名富士もお薦めです。ロープウェイでも登れますが、下から登って1時間強。そこからの眺めが素晴らしいです。天神峠からヤセオネ峠まで、自分が歩いた道が全部見えます。「あそこを歩いたんだな~」って関東ふれあいの道を歩いた人のみが味わえる感動があります。
ちなみに赤城山の地蔵岳も良いですよ。黒檜山と駒ケ岳の姿、そして大沼がとても良い感じです。
yubinitakoさん
削除コメントありがとうございます。
確かに榛名山は赤城山に比べると外輪山を縦走したのみでさっさと下ってしまった感じで物足りなさを感じました。
その辺りは掃部ヶ岳や榛名富士に登ったり榛名湖で遊んだりするのがやはり良いのでしょうね。
妙義山は楽しみですが、関東でも屈指の危険な山だと聞いているので少し戦々恐々としています。