2013年3月23日土曜日

              

関東ふれあいの道(千葉)『No.26東京湾を望むみち』

2013/03/23(土)

関東ふれあいの道、別名首都圏自然歩道は環境省が長距離自然歩道構想の一環として関東一都六県が整備している自然歩道である。
東京都コース『No.1湖のみち』の梅の木平を起終点として東京都、埼玉県、群馬県、栃木県、茨城県、千葉県、神奈川県の時計回りで周るコースであるということである。

関東ふれあいの道に着目したのはネット検索で面白い道を探していて偶然知ったのがきっかけなのだが、とりあえずの目標とするにはなかなか歩きごたえがありそうなので、馴染みのある鋸山を通るコースから反時計回りに歩いてみることにしたのである。







鋸山のある鋸南町に訪れるのは3度目となる。
1度目は昨年の秋に紅葉を見に鋸山の車力道を歩き、2度目は国道127号を歩き魚を食べに行くという旅で、どちらも浜金谷~保田間を歩いた。
ちなみに僕は千葉市在住で京葉線に乗って蘇我まで行き、内房線に乗ればすぐ富津辺りまでは来れるので、小旅行に来るには便利の良いところである。

この日起きたのは10時頃。
今日の天気は曇りと聞いていたが、一昨日の奥多摩旅行でウォーキング欲に火が点いたのか、内房を走る特急しおさい号に飛び乗り鋸南町に向かった。
昼頃に保田駅に到着。
あいにくの天気だが、駅近くの蕎麦屋でとりあえずの腹ごしらえをして、関東ふれあいの道へと一歩を踏み出した。







駅前に色褪せた案内標識があった。
富津館山道路の下を潜り、鋸山ダムの脇を通り林道金谷元名線を経て林道口までが4.6kmと書いてある。
最初からなかなか楽しそうなコースである。











いま乗ってきた内房線の下をまず潜る。
分かりやすい標識で林道口とある。
それにしてもいい味を出してる鉄橋だ。
橋台は石造なのだろうか……ゴクリ。












右手に山々の稜線を見ながらしばらく歩くと富津館山道路が見えてくる。
千葉県の内房を縦断する館山道路から接続される富津館山道路だが、実際に館山までは行っていないらしい……。
このとき頬に水気を感じた。雨の気配がする……
今日明日は曇りの予報だけど……
大丈夫だろうか。







自動車専用高架道路を潜ると鋸山ダムが見えてくる。
人一人とすれ違った。林道を歩いてきたかダムを見に来たのだろうか。
鋸山ダムは厳重に立入禁止になっていて堤体上には監視カメラまで付いている……。
上水道用の貯水池は多少神経質になる場合があるが、ここまで厳重なのは何かあったのだろうか……
どっしりとした重力式コンクリートダムであるが、いささか小振りである。

なお、これ以降林道口まで人には誰一人会わない。


金谷元名林道の元名側入口に着いた。
ここから大型車両が進入できないようにガードされている。
いよいよ林道らしく森深くなってきた。












おおっ!?
林道を歩いていると道の下に別の道と橋が!
何だろう……ダムの管理道か、古道の類だろうか。
橋に近付いてみたが味のない質素な作りだ。
古道探索もいいが、今日のところはとりあえず目的の道の踏破を優先した。










今度は道脇の小川に石組みの構造物が。
なんだか面白い道だ。













森が開けたと思ったら急に荒涼とした景色に……舗装もここまでである。
なんだこれは。
Google Mapに「うつろ鋸南(支)」と書いてある。
どうやらここで山から採石したものを搬出していたらしい……が現状仮設小屋が廃墟になっているだけである。
もしかして今歩いてきた林道の舗装区間は岩石搬出のために舗装したのかも。
としたら道脇の橋や石の構造物は旧道の名残かもしれない。





「この先路面凹凸あり落石注意」の標識が設置されていた。
この標識の指摘通り、ここから先は荒れた山道となる。












くねくねとした山道を登っていく。
山の岩肌を削って作ったような道で、強引な切通しが連続する。
路面はかなり雨で洗掘されている。
この道はオフロード車でもなければ無理だろう。
山鳥の声を聞きながら誰も居ない道を登っていく……まさに自然とのふれあいである。楽しい。

しばらく歩いていると道脇の森深い斜面からガサガサと音が聞こえた。
目を向けると、斜面を大男ほどある影が自転車の走るぐらいの速度で横切ってきて僕の前で静止した。
はて斜面を別の道でも通っているのかしらん、と思ったが瞬間、獣の類だと気付く。
刺激しないよう、努めて無関心のふりをして歩きだした。
これは!
すごい切通しである。
山をモーゼのように強引に切り開いたような景色にしばし圧倒される。

















林道を登り切ると林道口に着いた。
林道口には林道の開通記念碑が。
林道口には巡視員のような方が数人いた。
これから林道のパトロールにでも行くのだろうか。












林道は山の背に沿ってまだ続いていくのだが、鋸山の山頂を目指す本コースはここから森の中の獣道のような踏跡に踏み入って行く。
写真右が続く林道で、左がこれから行かんとするコースである。
案内標識があるので迷わずに済んだ。










ガサガサガサ……
自然を満喫……濃いなが!
はあはあ……一応車が通れるよう考慮された林道から山中の歩道になったため、道はかなりフリーダムなコース取りとなっている。
疲れるが、これが登山の醍醐味というものかもしれない。









たびたび高度を稼ぐためか、急傾斜の階段が現れる。
斜面はいいけど階段はキツい……

まあ階段を満喫したいのであれば、この先にある日本寺に行ってみると良い。
死ぬほど階段を満喫できるだろう。(参拝料有。有名な「地獄覗き」を見たいなら是非)














山頂に到着!
この説明看板が本コースの撮影チェックポイントである。
山頂には同じく登山に来ていたらしい女性二人がカップ麺を食していた。
ここ鋸山山頂には緯度経度標高の基準となる一等三角点と地表の歪みを測るための菱形基線測点がある。
なお菱形基線測点の残り3つは君津市の人見神社内、外平、富津市の大坪山であるらしい。

菱形基線測点の石柱が調度良い高さだったので、セルフタイマーでチェックポイントと共に撮影。クリア。


再び山中を歩くことしばし。
東京湾を望む展望台に到着した。
ちょうど少し雲が切れてきた。良い眺めだー。
天気が良ければ房総半島を一望できそうだ。
眼下にある町並みが見える。











山を下っていく。
やがて鋸山で最も見る価値のある石切場跡が見えてくる。
まるで遺跡のようである。
見るのは二度目であるがやはり美しい。
ロープウェイで登って日本寺内を歩くだけでは見られないので、鋸山に来たら是非ハイキングコースを歩いてほしい。











採石のために使われていた機材だろうか。
あえて残しているのかたまたま放置されているのか分からないが、赤錆に覆われた姿が当時を偲んでいるようでなかなか趣深い。












「地獄覗き」が見えた。
日本寺に入ればあそこから壮大な眺めを見ることができる。














車力道という、切り出した石を手押し車に乗せて運ぶための道が鋸山にはいくつも残っている。
新ハイキングコースとして最近車力道を歩く道があり、前回来たときはそちらを歩いたのだが、本コースはそちらには行かない。
本コースを歩くのは初めてであるが、この道にも車力道跡らしきものが見受けられる。
石の露出した斜面の中央が手押し車の車輪が繰り返し通ったことで窪んでいるのが特徴である。





鋸山の特徴的な稜線の見える広場に着いた。
鋸のように凹凸のある稜線から鋸山と名付けられたという。
採石によって幾何学的な直線模様が見えるのも美しい。
何かガイドでもしているのか、斜面の下に人の集っているのが見えた。










観月台に到着。
いまは風化した東屋が残るのみであるが、かつて鋸山ロープウェイが開通して登山道利用客が減るまでは、ここに京浜急行グラウンドという広場があって売店などで賑わっていたらしい。
そのような面影は現在全く見受けられず、「京浜急行グラウンド」の文字を記した碑や看板があるのみである。
このような施設跡があるということは、下界まであとわずかを残すところということであろう。






……これは……?
道脇の木が大規模に伐採されてやたら見晴らしがよくなっていた。
不法伐採でないのなら、景観確保のためということだろうか。
自然遊歩道ということなのであまりいい気持ちはしないが……









山を下りてきた。
浜金谷駅に向かう。














浜金谷駅に到着。
ちょうど電車から登山客と思しき人々が降りてきた。
これから登山に行くには遅いと思うが……

これにてNo.26のコースは踏破したことになるが、温泉に行きたいので竹岡駅までNo.25~No.26の連絡コースを歩くことにする。









東京湾フェリー「かなや丸」が停泊している。
千葉県終点コースであるNo.26から神奈川県起点コースNo.1に向かうにはこのフェリーに乗ると良い。












日の沈みゆく浦賀水道を望みながら国道127号を歩く。
三浦半島へ向かうフェリーが見えた。
昼は厚く覆っていた雲は、夕暮れに合わせるかのように晴れていた。











目当ての店が見えてきた。
天然温泉「海辺の湯」である。
図らずも調度日没の時間に露天の湯に浸かる事ができた。
曇りの予報であった天気が晴れたことも併せて歩き疲れた我が身を労ってくれているようだった。
うーん、最高。

そして併設されている食堂「漁師料理かなや」でなめろう丼をいただく。
思わず瓶ビールも頼んでしまった。
あー、もう美味い!
歩いたあとの温泉と美味いモンは最高だなー。


温泉と料理を満喫していたらとっぷり日が暮れてしまった。
街灯の少ない夜の静かな国道を潮騒を聞きながら歩くと、やがて竹岡駅に到着した。
これにて今日の旅を終えた。
(電車が来るまで30分近く待つことになった)
16.3kmを4時間30分で踏破。

森、山、海、温泉、魚を味わい尽くす最高の旅でした。
鋸山最高!

         

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